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14‐3天界での遭遇とここ最近

属性判定の日よりだいたい半年の月日が流れていた。

アルマ先生も割と苦労して、片方が無闇に属性魔法を使うと危なく、片方は無属性魔法すら使えないというめんどくさい姉妹を実習抜きで教えてきた訳だから感心する。しかし先週程に流石に限界が来てしまった。

ルナの属性は相変わらず判断不明だし、俺も魔法を使える兆しは無い。


そんな訳で授業が無期限休止となってしまい、どうするかと考えた結果、俺は良い機会だと考え、ディラン先生より武術を教えて貰おうという結論に至った。

しかし現実は非情である。

有ろう事か初日に寝坊した。しかも自分以外の者による原因で。

極論俺が『アレ』に手出ししなければ万事解決だった気もしなくもないが、少なくともあのタイミングでその判断は有り得なかった。

だって何より他ならぬ自分自身の仇なんだよ!?

あの時ばかりはどうにも堪えが効かなかった。

反省はしている、後悔はしていない。


そんなこんながあり、俺は屋敷内を走り抜け、中庭にもうすぐ到着といったところだ。

あと、直線100…メートル!


因みに自室から中庭までまともに歩くと10分近く掛かる。

窓から直接行けば、1分掛からないのだが、勿論許されないので、目と鼻の先の目的地に泣く泣く、遠回りして、全力疾走してきた。


ゴーーールッ!!


割と息は切れていない。

「すみません!遅れました。」

「大丈夫ですか?お嬢様…。何かうなされていたと聞きましたから、心配してたんですよ?」

「はい、もう大丈夫ですっ!」

「無茶だと判断したら、すぐに中止ですからね?」

身体的にはこのうえ無く健康なので、その点は安心だ。


「では改めて、ディラン・ドミーネ・スロングです。お嬢様といえども容赦無くビシビシといきますので、そのお積りで。」

望むところだ。強くなれないのであれば意味が無い。

健康とかならそこら辺を走ってりゃ良いのだ。

「ではまず基礎となる…」

さて、授業一発目どんな事をやるんだろうか?

「体を作るための走り込みです。」

えー…。

「そこ!嫌そうな顔をしない!嫌ならこれ以上教える事はありません!」

それは困る。だいぶ無理を言って始めた事なのだ。

最終的には泣き落としにまで持っていった結果がこれだ。こんなところで折れる訳にはいかない。

「…分かりました。」

「では屋敷の周りを走って来て下さい。」

「…何周ですか?」

「さっさと行く!」

「は、はいっ!」


いつぞやの裏庭でウジウジとしていた先生は何だったのだろうか?

何と言うスパルタ…。

それでもやるしか無いのが悲しい所だ。


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