14‐1天界での遭遇とここ最近
『GO TO HEAVEN』
今日は定期的に天界行くようにしている日に当たっている。
天界での神力の使用は一度コツを掴んでしまえばもう朝飯前といった感じだ。そのためこの頃は地上での神力使用のアドバイス(コーチがあの天使なので当てにはならない)と『生きとし生ける者の大図書館』の使用程度なので月に一度程度しか行っていない。
「よっ!久しぶり。」
いつもいの一番に出会う(といっても他に人を見かけたことも無いが)天使に声を掛ける。
「あ、どうも浮影さん。えーと…、そんな久しぶりでしたっけ…?」
割と真面目に返されると困る。
「挨拶だよ、挨拶。それと人間の一ヶ月は結構長いんだよ。」
微妙に食い違うこの感性にも何となく慣れてきた気がする。
「それで今日はどのようなご用事で?」
「んー、いつもみたいに習慣として来ただけだよ?強いて言うなら地上での神力使用のコツを話半分に聞きたいかな?」
「話半分って…。私、嘘とかはついてないですよ?」
「あー、ゴメン。頼りにならないだけだった。」
「たまに浮影さんって、とてつもなく失礼ですよね?」
自覚はしている。
「いつもいつも擬音だらけの分かりにくい説明をしてくるのはどこのどいつでしょーねー?」
天使がプイッと目を逸らす。
「私はあれで分かるから良いんですっ!」
コイツ絶対教師には向かないな…。
ふと視界の端に動く物体が移った。
今まで天界では天使以外には動くモノは見た事が無い。
距離感が掴みにくいこの真っ白い空間では分かりづらいがだいぶ小さく見える事からかなり遠くにいると思われる。
目を凝らすと人型というのはかろうじて確認できた。
「なぁ、向こうに誰かいるみたいなんだけど…?」
「え…?この空間に私以外ですか…?」
天使の顔が割と深刻になる。
「もしかして何かヤバい?」
「いえ、しかし恐らくあまり良い者ではありません。」
心臓が高鳴る。もちろん緊張とか焦りとかという意味で。
「あいつは一体誰なんだ?」
「はい、恐らく『アレ』です。」
一瞬何を言ってるのか分からなかった。
「アレってなん…」
だよまで言いかけて言葉が止まる。
思い出した。いや、忘れようとしていたのかもしれない。
自分の体を見渡す。随分可愛らしい人形のような少女の体。
周りの空間を見渡す。真っ白いどこまでも続くかのような天界という不思議な空間。
前世の最期に見た視界を覆い尽くす光。
男で普通の高校生だった自分がこんな状態でこんな場所にいるのも元はといえば全て『アレ』のせいなのだ。
その事を思い出すと沸々と怒りが沸き起こってきた。
再び『アレ』の方向に目を向ける。
そして決意を固めた。
えー、かなり久しぶりの『アレ』の登場。お忘れの方は一話辺りを見ればいます。
そして久しぶりに見直した作者はあまりの駄文っぷりにチキン肌立ちまくりでした。
あ、今もか!