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12‐1止まらない好奇心

メル兄も学院に行ってしまってから更に一年が経った。

今家には両親と教師と俺とルナと使用人達だけしかいない。

使用人が三十人程もいるのにたった二人がいなくなっただけで大きく欠けた感じがする。

しかし一先ずその話は置いておくとしよう。その話がどうでもいい訳では無い。

なぜなら、今この瞬間に半年程積み上げてきた物が実るかどうかが懸かっているのだ。

それは脱走。別に屋敷での生活が不満な訳じゃない。しかし外の世界をもっとこう、じっくりと見てみたい。

この時間の塀の向こう側の警備が穴である事はこの半年間を持って検証済みだ。

後はこの最後の壁を越えるのみ。

優れた跳躍力を活かし、塀の縁に捕まる。

後はよじ登るのみ!!

「…何してるんですか?」

突如背後から声を掛けられる。

「えっ!?あっ!キャーーーッ!?」

動揺し、見事にずり落ちる。

「ゴメンなさいっ!!別に何もしようとしてた訳じゃなくて!…あれ?ルナ?」

声の主はルナだった。

「焦りすぎですよ?どうしたのですか?」

ルナになら明かしても大丈夫かな?

「実はさ…」

全てを話した。

町へ行こうとしていた事、今の時間の塀の向こうの警備が薄い事。

「お父様に許可は?」

「取ってる筈無いじゃない。」

ハァ…。とルナから呆れ気味に溜め息が漏れる。

「…でも面白そうですね?お姉様が行くなら私も行って良いですか?」

「…大丈夫なの?」

正直いろいろ心配だ。

「お姉様が一人町に行く方がよっぽど危ないと思いますけどね。」

「どーいう意味?」

「町のあちらこちらで騒ぎを起こしそうという意味です。」

俺ってそんな風に見られてたの…?

確かに現在の脱走もだいぶ騒ぎになりそうだけどさ。

しかし退かぬ、媚びぬ、省みぬ。我を通すのみだ。

「ま、良いです。行きましょうか?」

「はい!お姉様!」

ルナ、ホントに楽しそうだな。

俺が先によじ登り、上からルナを引き上げる。


よし、予定通り!

周りには誰もいない。


「お姉様?」

「ん、何?」

「今日は何か目的があるんですか?」

…目的か。

行動の先に目的があるんじゃない、行動自体が目的なのだ。

はい、つまるところ考えていませんでした。本当にあr(ry。

「…無い。」

ハァ…とルナから溜め息が漏れる。

「本当にメル兄様といい騒動の申し子なんですか?単純に騒ぎを起こしたいだけなんですか?」

「ごめんなさい…。」

「とりあえず町に行きましょうか?最終的な目標はそこからです。」

人目を避ける為に屋敷と町の一直線の道は避ける。真っ昼間とは言え、貴族の娘が護衛も付けずとか危なっかしいのも良いとこだと思うけど。



とりあえず無事連れ戻される事も無く町の入口へと着いた。


よし!今日は楽しむぞーー!!!


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