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11‐6運命の刷新

半分脅される形で外に出た。

「じゃ、お兄さんから少し質問だ。正直に答えてくれたら。綺麗なお顔のまま帰してあげるよ?」

猫なで声で話し掛けてくる。正直気持ち悪い。

「じゃ、一つ目の質問だ。どこから見ていた?」

ここは正直に答えるしかないだろう。

「最初からです。食堂から出ていった時からずっと。」

チッと舌打ちが聞こえる。

「つまり最初っから疑って掛かっていたと?じゃあ次だ。何時から気付いていた?」

「迷子になって貴方の店に入った時に奥から話し声が聞こえました。加えてあの髪飾りを妹に与えて確信に変わりました。」

ハァと溜め息がちに息をつく。

「まさか聞かれたかと思ってたらやっぱりか…。髪飾りも駄目だったか。ったく、あんな値段でも買っちまうんだから貴族の娘ってのは堪ったもんじゃないぜ。」

確かに普通なら5万の髪飾りなんて買わないわな…。

「んで、この話は誰かにしたのか?」

ここで誰かに話したとか言えば牽制になるかもしれないが、逆上して襲ってくるかもしれない。

「…いいえ。してません。」

この発言にニヤッとしたように。

「いい子だ。じゃあ、お兄さんと約束だ。この事は誰にも言うな。勿論お父さんにだってだ。」

「…言ったら?」

「お嬢様の綺麗なお顔に華が咲くかもな〜?」

脅しか…。

「私からも質問です。」

「あぁっ?まあ良いだろう。」

「貴方の名前。偽名ですよね?」

一瞬驚いたように。

「良く気付いたな?ただのお偉いさんの箱入りかと思ってたら行動力と良いとんだ逸材だな。」

「貴方は最初から…、最初からリアン先生を騙す気だったんですか!?」

「違ぇよ…。」

一瞬だけ望みが見えた気がした。

「騙すも何もあんなのただの踏み台だろ?」

ヘラヘラと笑って語る。

そして望みは完全に枯れた。

コイツだけは許せない。

俺が痛みを被ったって構わない。そんなのリアン先生の受ける心の傷に比べたらどうって事はない。

『許さない…。』

自分の口にしている言語が変わっている事に自分でも気づいていなかった。

「あ?何か言ったか?」

『リアン先生はなあ…、リアン先生はテメェみたいな奴と一緒だって幸せを感じてたんだぞ!?それなのに…、それなのに人の幸せをヘラヘラ笑って踏みにじってんじゃねえっ!!』

勢い余って日本語で叫ぶ。

「ちっ!!魔法か!?」

聞き慣れない言葉に魔法と勘違いしたらしい。

そして目の前に振り下ろされる刃。

ギュッと目をつむる。

走馬灯が流れた気すらする。


しかしいつまで経っても痛みはやって来ない。

恐る恐る目を開ける。

「…ディラン…先生?」

「全く…、クロノス様にお嬢様を見守れと言われてついて来てみればこれだ…。」

ディラン先生が寸での所でトリークを吹っ飛ばしたようだ。

「ちっ、邪魔が入ったか。良いぜ…?他言無用…!死人に口無しだ!!」

トリークが襲い掛かってくるのが見えた。


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