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10‐5リアン先生の婚姻

先生が彼氏を連れて来ると言ってから3日。

遂に今日連れて来るそうだ。

彼氏を連れて来ると言われた父親の気分に近い物かも知れない。

いや、前世を含めてもリアン先生の方が年上だからせいぜい弟かな?

とにかく何でか俺が緊張している。

今日は特に授業も無い為家族と共に食堂で待っている。


トントン。


食堂のドアがノックされる。

「失礼します。」

リアン先生がまず食堂に入り、その後ろから

「失礼します。」

入って来たのは割と高身長の狼…?の獣人の青年だった。

「お初にお目にかかります。リアンさんとお付き合いさせて頂いている。トリーク・オーフェンと申します。」

名前を聞く限り平民の様だ。

俺のアティーニャ・“ラグラン”・トピアーゼの様に名前と家名の間に身分を表す名前が無い事から予想される。ちなみにラグランは公爵家の女性という意味だ。

「まさかこのような卑しい身分の者が公爵家の領地に足を踏み入れるとは誠に恐縮です。至らぬ所は多々ございますが、そこは広いお心で許して頂きたく存じ上げます。」

なかなかどうして好青年だった。

そこから話を聞いていくとトリークさんは雑貨屋を営んでいて、たまたまリアン先生が訪れた際に話が弾み、想像以上にうまく行って現在にと至るらしい。

予め運命が決まっている物と知っている俺が言うのもおかしな話だが、まさに運命の出会いという物だそうだ。


その後は1時間ほど話をした後にトリークさんは帰った。

「何だ?リアン、良い人を見つけたじゃないか?」

「はい、ありがとうございます。」

両親とリアン先生やアルマ先生、ディラン先生らは学院来の友人らしいからな。

俺には友人の結婚を祝うという事は良く分からんがきっと喜ばしい事なのだろう。

それにしてもリアン先生の結婚相手が普通に良い人で良かった。

あの人と話しているリアン先生はとても楽しそうだった。

どうかこのまま恩師の幸せな結婚生活を祈るのみである。

…あれ?このままリアン先生結婚したら寿退社の要領でこの家からいなくなってしまうのだろうか?

それは結構辛いかも…。

程よい厳しさを兼ね備えたとっても良い先生だったのに…。

まあ、俺には止める事は出来ないから仕方ないのだが。


結婚かぁ…。俺はする気は無いがどうやってルナにあの王子の気を向かせようか。

半年程前に一度この家にまで乗り込んできた事もあった。

普通なら王子様が迎えに来たとか喜ぶものなのかも知れないが、俺やルナと来たらしっしっと言った感じで遠ざけるんだからある意味すごい。

とりあえずリアン先生はきっと幸せな結婚生活を送っていってくれる事だろう。

めでたしめでたし。


なんてつまらない平穏で終わらせる気はございませんからご安心下さい。

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