10‐2リアン先生の婚姻
「よし、尾行しよ〜。」
そんな事を言い出したのはメル兄だった。
「尾行って…リアン先生をですか?」
恐る恐る聞くルナ。
「当たり前じゃ〜ん。本当に彼氏だったらおもしr…じゃなく、その男の人が気になるし?」
「どっちにしようと兄様の好奇心を満たす為なんですね…。」
呆れ半分で言う。言い直す必要は有ったのだろうか?
「そうと決まれば早速リアン先生を追いかけよ〜!」
やる気を上げるメル兄。
しかし、
「リアン先生はもう見えませんよ?」
うん、確かにもういない。
「分かってるよ…。ちょっとは乗ってよ〜?」
拗ねるメル兄。
「もういいや…。明日の作戦でも考えようか〜…。」
「考えるって…私達もですか…?」
何言ってんの?そんな目で俺とルナを見る。
「当たり前じゃん。だってアティもルナもリアン先生の事が気になるでしょ?」
「ま、まあ気になりますけど…。」
そんな曖昧な言葉に付け込み
「でっしょ〜?じゃあとゆーことで作戦を考えよ〜!」
「で、ですけど…。」
「けども何もも無いよ〜?悩んでるくらいなら考えて〜。」
くっ…、話の流れを持ってかれたな…。仕方ない…。作戦練るくらいなら付き合うか…。
次の日―――
相も変わらずリアン先生はニコニコというかニヤニヤというかそんな笑顔を浮かべている。
本当に彼氏の事を考えているならよくもまあ毎日四六時中考えていられる物だ。
彼女いない歴計23年にも上る俺には与り知らぬ話だ。
そんな表情観察をしていても気づかない所を見ると大分お熱な様だ。
隣でメル兄が必死で頑張っているがこれは演技でも何でも無い様だ。何故今まで頑張ろうとしなかったのか…。一応前世で高校受験をくぐり抜けてきたから気持ちは分からないでも無いが…。
こうして今日も俺は疎か、メル兄も怒られずに授業は終了となった。
「「「ありがとうございました!」」」
先生は舞い上がりそうな調子で部屋を出ていく。
うん、とりあえず何か有るのは間違いないだろう。
それと同時にメル兄から作戦開始の合図が出る。
とは言っても実の所作戦という程の作戦は無い。
ただ俺が単身リアン先生の尾行を行うという物だ。
理由としては、まず複数で動くのは目立つ為誰か一人が行くだけにしようという事になった。
だったらそこは言い出したメル兄だろうという意見を出したが、獣人の方が身体能力や感覚が優れるだろうと言われ、反論はしたが結局言いくるめられた。
そんな感じで今俺がリアン先生の後を追っている。
気になるのは事実だし、やれる限りやってやろう。
お祭りに行ってて更新がいくらか遅れました。
後この話、昨日一回消してしまって焦りました。