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8‐4王城訪問と意気消沈

「今日は久しぶりに話せて楽しかった。アレスト君に入学おめでとうと伝えてくれ。」

王様と言ってもプライベートだと割と普通のおじさんだった。

とは言っても直前に威厳ある姿を見ていた訳だから目の前にすると緊張したけど。

「あぁ、伝えておくよ。じゃ、またな。」

「なあ、ホントどっちかで良いから嫁にくれよ。」

「まだ言うのか。何よりもこの娘達が望まないなら嫁にはやらん!」

マジお父様かっけぇ!!

良かった…。国王を相手にしても断れるならもう安心して良いだろう。

「これはアランをお前に認められる男に育てないとな。」

「私は厳しいぞ?」

「あぁ、お義父さまと呼ばれるためにもアランには頑張ってもらうさ。」

やっぱりこの国もう駄目かな…。




そんな会話が15分前。

今の状況?

一人で王城内を歩いてるよ?

5分くらい前に父とルナを見失った。

はい、迷子です。本当にありが(ry。

やべえよ…。どうしよう。

精神的には二十代も半ばだってのに迷子って…。

こうゆうのって迷った場所から動かない方が良いんだっけ?

まったく…。こんな広い城なら迷子センターでも用意すべきなんじゃないか?


10分程経過―――

怖いくらいに人がいない。

ただ一人誰もいない場所で待つというのがここまで辛い物だとは…。

二年程前には3日間軟禁があったがここまで辛い物ではなかった。

しかし今はどうか?

不安で不安で仕方ない。

精神は体に引っ張られると言うしそれが原因だろうか?


更に10分経過―――

グスンッ…。泣きたい。というかもはや半ベソ。

ありえないがもう迎えが来ないんじゃないか?そんな錯覚に襲われる。

泣き出すとますます気弱になる。

どうしたら良いのか自分でも分からない。

やっぱり自分から探そうか?

いや、やっぱり待つべきだろうか?

そんな葛藤が沸き起こる。


更に更に10分経過―――

やっぱり幸せは歩いて見つけるもんだよね!!

状況は恐らく悪化したけどな!

もう最初にいた場所も分からない。この城はホントどんだけ広いんだよ…。子供の足には尚更広く感じる。

今だ人にも会わないし…。

ん、いや!目の前に人影!

しかしどうしよう…。今度は迷子で泣いていたという自分の今の状況が恥ずかしくて情けない。

いまだに涙は微量ながら流れている。

しかしここで話し掛けないと…。

人影はこちらに向かって来る。

どうしよう、自分の中であたふたしている間に

「お前こんな所でどうした?」

向こうから話し掛けてきた。

こうなったら恥も何もあるか!

「あのっ…、迷子になってしまって…。」

そこで改めてその人影を見ると

「…貴方も迷子?」

そう思ってしまう程の年齢だった(と言っても今の俺と同い年くらい)。

後どうでもいいけどイケメン。流石ファンタジー。

「そんな筈あるかっ!俺は…!」

「言わなくても良いよ。私も迷子だって告げるの恥ずかしかったから。」

同じ経験をした者としてこの少年の面子が保てるよう尽力しよう。

何よりも俺の方が前世含めたら年上なのだから。


こうして奇妙な迷子少女と迷子(?)少年の城探検がスタートした。


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