7‐6王立中央学院
「決闘のルールの確認ね〜?」
こんな時でも呑気そうなメル兄。
ルールはこの通りだ。
メル兄提案の下、
まず殺傷魔法の使用禁止。これは当然だ。死者は当然、怪我人が出てもまずい。
次に勝敗は行動不能になること。何の魔法を使っても良いが此処は『拘束』ら辺が安定だろう。
「で、最後に負けた方が土下座ね〜?」
こっちの世界に土下座の習慣があったのも驚きだったが、問題はさりげなくあくどいメル兄。
見事自分に有利なルールに仕立て上げている。
非殺傷魔法という事から勝負は単純な早撃ちになるだろう。
メル兄は魔力媒体が無い分細かい動作が要らない。それはこのルール上大きなアドバンテージだ。
相手も悪いから別に良いけど。
「じゃ、このコインが地面に落ちたらね?」
結果はほぼ目に見えている。
コインが空に舞う。
チャリンッ!
結果は予想通りだった。
目の前には圧巻のズラッと頭を地に付けている男達。
流石のメル兄だ。
簡単なダイジェストとしてはコイン落ちると同時にメル兄が『拘束』を使用。もちろん速度で負ける筈もなく反撃を許さず、瞬殺。
雑魚といっては魚が可哀相なザコだった。
とは言ってもこれはメル兄からしての話しである。ルナはまだしも俺なんて勝負にならないだろう。まず魔法使えないし…。
土下座している男達を尻目に俺達は校内に戻った。
するとタイミング良く呼び出しの放送が鳴り響いた。
「お前達はどこに行ってたんだ?」
入室と共に父からの問い掛け。これはどういった事だ…?
「え、えっと〜…?そ、それはどういう?」
メル兄動揺し過ぎ!この人嘘つくのは下手だな…。
「何度校内放送をかけたと思っているんだ?」
あー…なるほど…。
ここですかさずメル兄。
「広くて迷ったんだよ〜。ねっ?アティ、ルナ?」
ほぼ間違いなくメル兄が嘘を貫き通すのは無理だろう。ここは…。
「いえ、メル兄様が決闘を申し込まれ、それを受けた為校内におらず放送が聞こえませんでした。」
洗いざらい話そう。
犠牲はメル兄一人で良い。
「はい、魔法科を見学した際にメル兄様が挑発と取れる行動をとったのが原因かと思われます。」
ルナも意図を察したか、全力でメル兄を売る態勢に入る。
「現場は見ていませんが俺もメルの挑発と思われる言動は聞きました。」
ここで更にアレス兄の追撃。
「ほぉ、メル。全てを話して貰おうか?」
やべっ!父様迫力ある〜。
「えっ?あの〜?弁明の余地は…?」
「「「無い。」」」
「デスヨネ〜。」
この日校長室から発せられた何者かの悲痛な叫びは、一部の者の手により学校七十七不思議に登録されたとかされていないとか。
前回でも書きましたがバトルシーンなんて作者には書けませぬ(-.-;)
ご了承いただきたい…。