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5‐3魔法学の指針

昼食も終え中庭に向かう途中、

「あっ、メル兄様!」

いち早く気づいたのはルナだった。

「アティにルナ?どうしたの〜?こんなところで?」

「今日は兄様の授業参観です。」

「え〜?恥ずかしいな〜。ちょっと本気出しちゃおうかな〜。」

「期待してますよ?兄様。」



そうこうしている内に中庭に着いた。


「今日は遅刻しませんでしたね?メルキウス君?」

「今日は可愛い妹達も見てますからね〜。」

アルマ先生は俺達をメル兄の起爆剤としても使うようだ。

「そうですね。では今日はお嬢様方も来てますのでちょっとしたゲームをしましょうか。」

「面白そうですね〜。」

「ここに5枚の円盤があります。これを『浮遊フロート』で浮かしますので、これを全て魔法で割って下さい。」

ここで確信した。魔法に使う言葉は英語だと。これは俺にとって大きなアドバンテージだ。

言葉自体に意味があればだが、意味も無く必殺技の名前を言う感覚だったら本当に意味が無い。

「分かりましたけど…。ハンデはどうします?」

流石にメル兄も厳しいのだろうか?

「いりませんが、私も本気でやりますよ?」

…え?まさかハンデって先生→メル兄じゃなくメル兄→先生?

「分かりました。こちらもカッコイイ兄を見せたいんで本気で行かせてもらいます。」

いつもノホホンとしたメル兄だが凄まじい気迫というのだろうか?が感じられる。

「『浮遊フロート』。」

円盤が浮かび上がる。

「あっ、ハンデ無くて良いと言いましたがお嬢様方の事も考えて下さいね?」

「当然ですよ〜。」

ヒュンヒュンと円盤が空中を飛び交う。結構な速度だ。どんな魔法があるか分からないがこんなのに当てられるのだろうか?

「よし、では…始め!」

その言葉と同時にメル兄が魔法を使用した。

「『突風弾丸ブラストバレット』」

パンッ!

すげっ!?早くもあれの一つに当てた!?

「…参りました。」

苦々しい顔でアルマ先生が降参する。

そしてしたり顔のメル兄。

「……え?」

そして5枚の穴の空いた円盤。全く視認できなかった。

そう。一発に聞こえたがあの時完全に同時に5枚の円盤に当てていたのだ。追記すれば全てど真ん中に当てていた。

「ちょっとつまらなかったかな〜?」

これが二十を知って十を知らない天才の実力だった。

「久しく君の本気を見ていませんでしたが…、まさか此処までとは…。」

「どんなもんです?」

「凄いですっ!お兄様!」

興奮した様子でルナが走って行く。

「ありがと〜。次は何します?アルマ先生?」

「予想以上にあっさり終わってしまいましたからね…。もう少し時間が掛かって改良点を題材に授業を進めようと思っていたのですが…。」

流石メル兄…。授業を空気を読まずぶち壊しやがった…。授業をする(リアン先生含め)先生方の気苦労が伺える。

そしてメル兄の実力は恐らく既に先生をも超えているのだろう。典型的な見ただけで分かる様な天才だ。

例えばバスケについてボールをゴールに入れる位しかルールを知らなくてもプロを見て凄いと思える、そんな感覚だ。



そんなこんなでメル兄の予想を超える結果が原因で授業は何かグダグダで終わった。


「アティーニャさん、ルナシアさん。明日から週3回で僕の部屋に来て下さい。」

「え?中庭じゃないんですか?」

こっちはさっさと魔法を使いたいんだよ…。

「貴女はいきなり魔法を使えるんですか?最初は当然基礎からです。」

英語は分かっているから抜けてたがそういえばそれもそうだよな…。

「はあ…、最近の子供は基礎を軽んじるから困る。」

あの天才兄貴を思い出し苦笑いがこぼれる。


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