1‐2何コレ理不尽?
「知らない天井だ…」
意味は無いがそう呟く。
(…あれ?ここまず天井無くね?)
今俺がいるのは何処までも続いていそうな真っ白い空間。この白い空間に
唯一変化のある光景と言ったら…背中に翼があるこれまた美少女。
「おいおい…勘弁してくれよ…」
その美少女は正に天使と形容するのがふさわしかった。
記憶はある…突然現れたとてもイタいイケメンに何かされた。良く分からないが多分殺された。
しかし何故ここにいる?目の前の少女が背で語るあなたは死にました。と
ここは天国なのだろうか?それを知る術は少女のみだ。
「あの〜?ちょっとお尋ねしたいんですが?」
勇気を出して少女に話し掛ける。
「はい、なんでしょうか?浮影俊喜さん?」
「えっ!?何故名前を!?」
「何故と言われましても…。理由になるかは疑問ですが私があなた方の言うところの天使だからでしょうか?」
「天使ですか…。詰まるところ僕は死んだのでしょうか?」薄々感づいてはいた。しかし…
「一般にはそうなんでしょうけどちょっと不具合がありまして…」
「不具合?」
不具合だと?何その不安を煽る言葉…。
「はい、俊喜さんは死因を覚えてますか?」
「えーと…鎧着たイケメンに殺された…?」
「そうなんです…。『あれ』が問題の原因なんです…」
「『あれ』と言うことはあの人が誰なのか知ってるんですか!?」
『あれ』呼ばわりってことは度々問題を引き起こしてるのだろうか?
「はい…『あれ』は…」
「『あれ』は…?」神妙な面持ちで聞き入る
「私の上司なんです…!」
「ちょっと待てっ!!流石に上司を『あれ』呼ばわりはまずいんじゃ!?」
「良いんです…!『あれ』は度々問題を起こしては後始末はいつも私…」
…ちょっと可哀相になってきた。
かれこれ30分は彼女の愚痴が続いた。
それにしてもこれは…
これは『あれ』と呼ばれても仕方ないなと思う…