4‐2日々邁進
「…こうしてこの国の交通路は整備されていきました。じゃ、今日はここまで!」
「「ありがとうございました!」」
授業も終わり、頭の中で今日の内容を整理する。
えーと…?確か?今住んでいるここの地域が獣人が主に住んでいる『ウィルディア』って場所で…?ここの他に様々な種族が暮らす地域が6つ有って?あれ?5つだったかな?
ああっ!もうっ!覚え切れんっ!!
詰め込み学習はむしろ効率が悪いんだぞ!?
「ルナ?今日の内容理解出来た?」
ここは出来の良い妹に助けを求めるとしよう。精神年齢21歳が6歳に助けを求めるってのも情けない話だが。
「はい、今日はたくさん覚える事が有って大変でしたが何とか…。」
スゲー…。コレがエリートと凡人の差だろうか?
「そう…。私はもう何が何だか…。」
「では確認も兼ねて復習しましょうか?」
「うん、お願い。」
こうしてルナ先生による特別講習が始まった。
歴史から始まり、この国の地理。
少なくとも言える事はこれはおおよそ小一が習う様な量では無いという事か。忘れんなよ!?ルナも俺も6歳でまだ小一位なんだぞ!?
ルナ先生の助けを借りても苦戦を強いられる。
しかしリアン先生と違うのは優秀な解答をすると頭を撫でてくれる事だろうか?
「良くできました〜。」
なんて笑顔で撫でられると悶え死に級だ。我が妹はなでぽスキルまで所有しているというのか…!
末恐ろしい娘だ…。
リアン先生だって褒めてくれるし、叩くのもあくまで気付けの様な物だが、やっぱり可愛い妹に褒めて貰った方が嬉しい。リアン先生も結構美人だけどね?
そしてルナに教えて貰って理解したのは、
まず人々は魔王の脅威は無くなった後に、このソリド王国を建国した。
その際に中心人物の子孫が今もこの国の中心となっている。人々は団結したが各種族での領地問題が発生。されど国がバラバラになればそれ以上に危険という事で国を7つに等分した。事実今でも魔王の手先とされる魔物がいるそうだ。結果そのうちの1つが俺やルナの住むこの土地『ウィルディア』らしい。
獣人の他にも種族は魚人、エルフ等の亜人、鳥人、竜人、リアン先生みたいな普通の人間、そしていずれにも分類されない者達、魔人がいるそうだ。
ホントにファンタジーな種族達だな…。今は人の事言えないが。
そして国の中心には、いずれの種族にもこだわらない王都があるそうだ。
やっと整理が着いた…。無理、これは一人じゃ覚え切れない…。
ルナお前普通にスゴイよ…。何でコレを一発で覚えられんの?
疲れ切ってぐてーとなっている俺を見て
「お姉様大丈夫ですか?」
「あーうん、平気平気。」
本当は多少辛いけど
「お疲れ様でした。」
ルナがそう言って労いとして頭を撫でてくれようとした瞬間。
ドガンッ!!
小規模だろうが到底日常的には聞かないだろう爆発音が聞こえてきた。