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24‐4奇人変人ときどき常識人

「ところでこのギルドってどういう構成になってるんですか?」

一応上司と部下の関係はあるみたいだし…。

「まず、ボスと俺とさっきの二人、そしてあと二人を加えた六人が幹部をやってる。加えてボスを除いた五人に今のお前みたいな部下が数人ついてる。」

ストラドさんが組織のトップに位置するという事に少し驚いた。

「あの…、既に私が知る限りで幹部の半数以上が問題人物なんですが…。」

「あぁ…、だがそれでも成り立ってるものは成り立ってるんだ。」

それはやはり彼女の眼がいろんな意味で確かだということだろう。

「さ、今度こそ行こうぜ。」

何かもう既に素直にここから出れそうな気がしない。

二度あることは三度ある。

ストラドさんが扉を開けようとするとストラドさんが開ける前に扉が勝手に開いた。

そこには男が立っていた。

この人…、どこかで…?

「貴女は…、アティーニャさん…?何故こんな所に…?」

名乗るまでも無く、俺の名を言い当てられた。

「あ?爺さんコイツの知り合いか?」

その男性は爺さんと言われているが、見た目は決して歳老いているわけではない。むしろ若々しく二十歳くらいに見える。

誰だっけ…、絶対話したことはある。

実際箱入りだった俺は数える程しか人とまともに出会ってないはずだ。

順に記憶を辿る。そして行き当たった。

「あっ…!学院長!」

そうだ、この人学院で会ったんだ。

「はい、モーガンです。随分大きくなりましたね。しかし貴女の訃報を先日聞いたのですが…?」

モーガン先生は、そこまで知りながら慌てる事もなく落ち着いた様子だ。ここら辺は流石と言う他ないだろう。

「はい…、実はこれには様々な事情がありまして…。」

今までの経緯を話すのにもだいぶ慣れてきた。

今まで以上にコンパクトに伝えられる。

「なるほど…、そんなことが…。」

「それで話しておいて難ですがこの事は他言無用でお願いします。」

「えぇ、了承いたしました。」

話の分かる人で助かる。

「しかし…、まさか貴女が昨日ボスが言っていた少女だったとは…。」

「という事はやはり先生もここの…。」

「えぇ、そうです。教え子達が平穏に暮らす為に私も尽力しています。」

「この爺さんは、うちでも数少ない常識人だ。たまに説教とかしてくっけどな。」

「そういえばストラド君。昨日は何故会議のあと残らなかったのですか?良いですか、そもそも時間に遅れる、人との約束を守らないというのは…。」

「あー、また始まった…。小言はまたあとで聞いてやるから。」

「なんですか、その態度は?やはり指導が必要なようですね。良いでしょう、じっくりと人生の何たるかを教えてあげます。」

「おい、フェイ!逃げるぞ!」

「えっ?あっ、ちょっ!?」

ストラドさんが俺の手を引き、強行突破を試みる。

「逃しません!『拘束バインド』!!」

ストラドさんが捕まった。俺ももろとも。

バインド自体ある程度範囲を広めに指定しなきゃいけないから仕方ないとは言え…。

はぁ…、これも一種の勉強だと思って真面目に聞くか…。


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