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24‐1奇人変人ときどき常識人

「そうだ。ハイ、これ。」

彼女よりストラドさんに袋が手渡される。

「何だ?コレ?」

お金が入っているようだが…。

「中には50サウン(約五万円)入ってるわ。特別ボーナスってわけじゃないけど、それでアティちゃ…、じゃなくて、フェイちゃんの身の回りを整えてあげなさい。」

申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「私…、何と言ったら…。」

事実いろいろと足りない物はあったが、これ以上ストラドさんに甘えるわけにもいかず、困っていたところだった。

「良いのよ。この甲斐性無しはきっと私が言わなければ気にも留めなかったと思うわ。」

ストラドさんの方を見ると少し拗ねているようだ。

「本当に、本当にありがとうございます!」

「気にしないで良いのよ。あと、明日はあなたの身分証明書になるギルドカードを作るわ。今日はその準備にあちこちに手を回さなきゃいけないの。だからストラド君と一緒に王都を見て回ると良いわ。」

「んじゃ、ここには長居は無用だ。さっさと行くぞ。」

素早く切り替え、この場から立ち去ろうとするストラドさん。

「随分急ぐわね〜。ま、昨日の事もあるからかしら?フェイちゃん、ストラド君をよろしくね。」

そう言い残し彼女は奥に消えていった。

そしてストラドさんが率先して外に出ようとした瞬間だった。

「チィース!」

勢いよく扉を開けて入って来た者がいた。

ストラドさんの表情がみるみるうちに疲れたような本気で嫌そうな顔になる。

「あ、おはようッス、先輩。」

その人物は男で茶髪。顔は整っている方で細身、身長はストラドさんよりは小さいが、多分目測180cm近くはある。

俺からすると見上げなければならないくらいの身長だ。

種族は耳付近のエラのような物から魚人と推察される。

「出たな…、俺が今会いたくない奴第一位…。」

「良いじゃないスか。俺も昨日の会議の遅刻組だったんスけど先輩のおかげで見逃されたんスから。お礼に後で何か奢るッスよ。」

えーと、ストラドさんの後輩…?

「奢んなくて良いから視界から、いや世界から消えてくれ。」

「ひどっ!?」

ショックを受けているようだが、どこか演技くさい。

「そんな事より先輩!そっちの可愛い娘は誰スか!?もしかして昨日ボスが言ってた新しく加わった娘スか!?」

後輩(?)がジリジリとストラドさんに迫る。

唐突に話題が俺の事になった事に驚く。

「鬱陶しいな…。暑苦しいから近寄んな!」

後輩(?)は半歩後退した。

「で?で?どうなんスか?」

「そうだよ…。コイツが昨日来た奴だ。」

ストラドさんはぐったりとしていた。

「うっわー!良いなぁー!めっちゃ可愛いじゃないスか!!やっぱうちに欲しかったなー!」

何と言うか…。メル兄と同じそこはかとなく馬鹿の香りがする人だ…。


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