3‐4眠り姫発寝(はっしん)?
きっと今の私は勉強を頑張っています。
五日前の作者でございます。
…あれ?計算合ってるよね?
帰る方法が分からない、こうなった場合の行動は
A、がむしゃらに帰る方法の思索
B、天使が帰ってくるのを待つ
C、誰かに助けを求める
D、その他
Aは論外、検討も付かん。
Bはいつになるか分からない。
Cは他の誰かを見かけた事すらない。
Dはそんな素晴らしい機転があったらとっくに帰っている。
有力はBかな…?本でも読んでよ…。身内の運命を知る位罰も当たらないだろう。
とまああれから体感でおよそ一日が経った。
今だに助け(天使)は来ない…。夢の中の様なモノだから空腹にも眠くもならないが…。
そんなことより様々な情報が手に入った。
何よりも驚かされたのは、ルナが未来の王妃様だと言う事だった。つまり現王子様と結婚する。うん、流石我が妹。あの美貌なら仕方ない。
他にもメル兄は魔法研究の権威(何でも魔法を制作、実用化を目指す仕事らしい)になったり、
アレス兄はやはり公爵家を継ぎ、国王の右腕として遺憾無くその才能を発揮していたり…。
うん、ぱねぇ…俺の兄妹マジぱねぇ…。
あれから更に二日―――
「また来てたんですか?」
天使が戻ってきた。
「違えよ…!帰り方が分からないからずっと居たんだよっ!!」
怒りの声をぶつける。
「えっ!?ずっとここに!?」
天使は驚きの声を挙げる。
「そうだよっ!丸三日ここに軟禁状態だったんだよっ!!」
「それは非常にマズイですね…」
何か深刻な問題のようだ。
「何?何か問題があんの?」
「はい…。天界の流れる時間はおよそあの世界に比べ、5倍です。」
「つまり…?」
「三日×5およそ十五日が外の世界では経過しています。」
冷や汗が流れる。
「それってマズイよな…?」
「だからマズイって言ってるじゃないですか!」
「魂がここにあるけどさ、あっちの体死んでないよな…?」
「それは大丈夫です。前来た時は魂でしたが、今いるのは意識だけなので。」
良く分からんが死んでないなら良しっ!
「良く分からんが分かった!次の質問!どうやって帰るの!?」
急いで帰らないと事態は悪化するばかりだろう。
「事実帰る方法という方法も無いんですよねぇ…。」
「はぁ!?じゃあどうすれば!?」
「とりあえず息を整え、意識を集中して下さい。そして向こうの世界を想像して下さい。」
言われた通りに実行する。
すると眠りに落ちる様に意識は静かに離れていった。
想像以上に簡単だったな…。
目を覚ますと五年間寝起きしているベッドの上だった。帰って来れた…。