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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、ダブルデート。93


お揃いの物を作る機会を提案したら、3人の動きはそれは早かった。


レーラさんが速攻でシュナさんの好みをリサーチし、それを聞いたフィプスさんが鉱石の町の工房へ相談しに行き、ベル様がヴェリ様に一緒にアクセサリーを作る提案をしたそうだ。行動が早ーい!


実家へそんな流れを手紙に書いて送ったら、


『できることから楽しんでやっておけ』


と、母から格言のような返信が来た。

お母さん‥相変わらず竹を割ったような返事だね。

それでも荒れてしまった畑をどうにか耕して種まきしたらしく、その文を読んでホッとした。私がこっちへ来る直前、畑が嵐で荒れていたから大丈夫かな‥と、心配だったんだよね。


綺麗に手紙を折りたたみ、今度は何が起こるやら‥なんて考えつつ引き出しの中へしまうと、ドアがノックされレーラさんが夕飯だと教えてくれた。もう夕飯!?時が早い!



晩御飯を食べつつアクセサリーの報告を3人から聞いていると、ベル様が私をワクワクした顔で見つめた。



「リニは何色が好きだ?」

「へ?」

「リニも一緒に俺と、その、ブレスレット、を作ってはどうかと思って」

「ブレスレット‥」



お揃いの物を作ろうとの提案に、胸の奥がキュッと痛くなる。

私なんてシュナさんとヴェリ様のことしか考えてなかったのに、まさかこっちのことまで考えてくれるなんて‥。なんだかじわじわ嬉しくなってきて、口元が緩んでしまう私。



しかし好きな色かぁ〜。

白が好きなんだけど、あんまり鉱石にはない色だろうしなぁ‥。と、こちらの回答を待つ見つめるベル様を見て、不意に言葉が転がり落ちた。


「黒と赤ですかね」

「え?」

「ベル様の瞳の色で作ってみたいなぁと」

「‥‥瞳」

「私の瞳は栗色なのでパッとしないかなぁ〜と、」

「いや!?リニの瞳は綺麗だぞ!」

「あ、ありがとうございます?」


まさかの褒め褒め合戦になってしまった。

照れ臭い気持ちになったけど、ま、まぁ、仮とはいえ夫婦だし、これくらいの会話は普通、だよね?なんだかレーラさんとフィプさんの視線が生温かい気もするけど、うん、気のせい‥という事にしよう。ベル様は目をウロウロさせながら、



「で、では、俺はリニの瞳の色を使ったブレスレットにしよう」

「え」

「俺達がそうしていれば、ヴェリ達も作りやすいだろう」

「確かに‥」



すかさずフィプスさんが「それでは早速色の手配もしておきますね」と、合いの手のようにいうので私はもう頷くしかない。ううっ、照れ臭い。ベル様、サラーッと瞳が綺麗だなんてドキッとしちゃうことを言ったこと気が付いているのだろうか‥。


赤いであろう頬をペチペチと自分で叩いていると、ベル様が私を不思議そうに見つめ、


「そういえばご実家から手紙が届いていたそうだな」

「あ、はい。皆さんに良くして頂いていると書いたら喜んでくれて‥。それと、畑の野菜の実りの早さを羨ましがってました」

「そうか‥」


ふっと嬉しそうに微笑むベル様。

その小さな微笑みに私の胸がぎゅっと痛くなるので控えて欲しい。

どうにか心臓の動悸を抑えようとするも、今度は食事の味がろくにわからない。恋って、なんて面倒なんだ!



「あっちは嵐の季節はもう終わったのか?」

「え!?あ、そ、そうですね‥、嵐はもう終わったかと。ただ今度は風がやたらと強い時期に入りますね。あれで育っていた野菜が倒されちゃうことがあって困るんですよね」

「島はなかなかに大変なんだな」

「はい。でもその分野菜が実った時の喜びは格別です!」



皆で喜ぶあの瞬間を思い出してニコーッと笑うと、ベル様が目を丸くした。

ん?何かおかしいこと言ったかな?


「こっちも嵐の季節があるんですか?」

「‥ああ。嵐の時期が来る前に魔物が移動するんだ。それが大体終わると嵐の季節だな」

「あ、この間のベヒモスって‥」

「そう。嵐が来る前の移動だ。嵐中は餌になる魔物も寝ぐらに潜んでしまうからな」


そんな大きな魔物が嵐に備えて移動するんだ!

魔族の国って本当規模が大きいなぁ。感心していると、フィプスさんが遠くを見つめ、



「今度は魔物相手じゃなくて自然と戦う季節ですね‥」

「自然と‥」

「こっちの嵐は恐らくリニの知っている嵐とわけが違うからな。あちこち魔力で風や雨に備えて強化しておくんだ」

「そ、そんなに大きいんですか!?」

「ああ。魔法がなければ家が前から吹っ飛んでいる。まぁ家は大丈夫なんだが、崖や山が崩れることが増える。流石にあちこち魔法を掛けきれないからな‥」

「大変だ‥」



私のしみじみといった言葉にフィプスさんもレーラさんも頷いた。


「でもそんな大変な時期に、デートなんていいんですか?」


と、疑問を投げかけるとベル様は力強く頷き、



「楽しみが何もなければ耐えられない」

「耐えられない‥」



な、なるほどぉ?

えっと、じゃあ楽しみにしてくれているってことか‥。と、気が付いて、じわっとまた頬が熱くなる。うう、そんなこと言われたら私まで嬉しい上に楽しみになりまくっちゃうじゃないかぁ!





楽しみがない人生なんて‥!!

と、自分を甘やかしに甘やかした結果、今年は過去最高の体重をゲット!やったね!!(泣

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