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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、ダブルデート。92


ヴェリ様に絶対断られるかと思ったのに、まさかのダブルデートオッケーだよ!と、いう返事に眉間のシワが深く刻まれたベル様。


朝早く手紙が届いたと思ったら、まさか王族直々からそんな内容‥。


魔族ってそういうのが普通なの?

いや、もう普通っていうのはきっとのこの世界にはない。だって毎日私の予想の斜め上のことばかり起きる。生きているってことは、毎日何かしら予想外のことが起きるものだ。そう思っておこう。



「‥‥と、いうわけで申し訳ないが二週間後、キルシュナと一緒に出かけることになった」

「わかりました。ええと、お城へ‥でしょうか?」

「いや、折角だからと鉱石が採れる町になった。王族の別荘があるんだ」

「‥なるほど、別荘」



別荘あるんだ!!いや、普通はあるか!

この場合、貧乏な王族という私が想定外なのだ。早速普通という概念からぶん殴られた気分だわぁ‥。朝食を食べつつ頰をそっと撫でる私を不思議そうに見つめたベル様。ごめんね、イマジナリーおビンタされただけから気にしないで。


「何か、お土産など持っていくべきでしょうか」

「土産‥?」

「一応、お呼ばれという形ですし?」

「‥そういう括りでいいのだろうか」

「まぁ、ヴェリ様とシュナさんの間に立つことになりますし、何か持っていってマズイとはならないかと」


私の横でお茶を淹れていたレーラさんがすかさず「そのご配慮、流石でございます!」と、褒めてくれた。そ、そう?調子乗っちゃっていい?小さく微笑むと、ベル様の横でヴェリ様の手紙を持っていたフィプスさんも静かに頷き、



「ヴェリ様、絶対こちらを邪魔してやろうって考えてますよ!だからリニ様の仰る通り、できればキルシュナ様からの好感度が上がる物を持っていけば良いのでは?」



‥‥‥王様なのに結構な言われようだ。

しかしベル様もレーラさんも真剣に「キルシュナの好きな物はなんだ?」「やっぱり槍、ですかね」なんて討論しているけれど、槍はデートへ持っていく物ではない。それは魔物を倒す為のアイテムだ。


「ヴェリ様と、シュナさんが一緒に楽しめる物がいいんじゃないですか?」


私の言葉に3人が一斉にこちらを見て、


「「「それだ!!」」」


と、言うので驚いてしまう。

そ、そんなに良い反応貰えると思わなかった‥。ベル様は真剣な顔をして、


「と、いうことは弓矢か?」

「何故!??」

「魔物を一緒に狩る」

「デートの意味!!!なんで魔物を狩る方向へ?!」

「一緒に体を動かせば緊張も取れるかと‥」

「な、なるほど。でもデートで血塗れになってはどうかと‥」

「‥確かに」


魔族、まず戦おうとしないでくれ‥。

とはいえカップルが喜んで、なおかつ一緒にできる物ってなんだろう‥。今度行く場所のことも考慮に入れておいて‥、



「あ、お揃いのブレスレットを作るキット、とかどうでしょう」

「「「お揃い!??」」」

「は、はい。鉱石が採れるって仰ってましたよね?ブレスレットとか、ネックレスとか、加工できるようにしておいてもらって、一緒に作ってみるとかどうでしょう。そうすれば多少緊張もしないのでは?それにお揃いの物を付けられてヴェリ様も嬉しいのでは?」



私の提案に3人は顔を見合わせ、


「すごい‥!!俺にはないアイデアだ!」

「僕、すぐに鉱石の町へ行って相談してきます!!」

「では私はキルシュナ様の好みなどをリサーチしておきます!」

「え?え?あの提案しておいてなんですが、ほ、本当にいいんですか?」


「「「もちろん!!!(です!!」」」


お、おお、すごく頷いて頂いた。

3人は同時に頷き、



「これ以上邪魔をされては困る!フィプス、レーラ、頼むぞ!!」

「「はい!!!」」

「え、あの、そ、そんな気合いを入れるもの???」

「「はい!!!」」



そ、そうなんだ‥。朝食を食べ終えると、気合いたっぷりの3人は私を見つめ、


「リニ様、素晴らしいアイデアをありがとうございます!あのヴェリ様をギャフンと言わせましょうね!」

「主旨が違ってきているような‥」

「いや、あいつもたまにはやられる側を味わった方がいい」

「お、王族ですけど‥?」

「大丈夫ですわ!何かあればキルシュナ様がおりますし!」

「‥シュナさん、大変なことになるのでは?!」


しかし3人はやる気満々である。

うん、もうここはお任せすることにしよう‥。私は、他にはお二人の仲が深まる物でも考えるか。チラッと張り切るベル様の横顔を見れば、今日も格好いい。



‥ちょっとだけ一緒にお出かけしたかった気持ちをひとまず横に置いて、私もベル様とお揃いの物を作ろうかなあと、考えたのであった。




メリークリスマスーー!!!

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