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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、うっかり精霊化!?90


ベル様へ恋心を自覚したものの、今度はなんで私と結婚したんだという謎。


しかし、もし「結婚回避に便利かと思って」とか、「俺のいうことを黙って聞いておけばいい」などと言われたら、失恋云々の前に人間不信になりそうだ。今までベル様を見ていて、そんなクズ思想な人ではないとわかってはいるが、私の心の安寧と健康第一!沈黙は金。ひとまず黙っておくことにした。



そうして、今朝!


やっと私とベル様の呪いが解ける日がやってきた!

これで心臓がいきなり体から吹っ飛ぶほどの心配がなくなった!と、同時に精霊の魂も本日お帰りになるそうで、私は二重の意味でおめでたい続きだった。



「や〜〜、今日はいい天気ですねぇ!」



本日はベル様と一緒に野菜の水やりをしながら、清々しい青空を見て私がそう言うと、ベル様は少し寂しそうに「そうだな‥」と、どう考えても心ここにあらずな返事をした。もしかしてお母さんが天に帰っちゃうと思ったら寂しい‥のかな。


私はベル様を見上げ、


「寂しい、ですか?」


と、聞けばちょっと驚いたように私を見て、それから耳を赤くした。


「さ、寂しくは、ないぞ?!リニは、そばにいるし、そのっ、急にくっ付いてしまうこともなくなるが」

「ん?お母さんとの別れは‥?」

「母か?先日、会えたし寂しくはないぞ。それにもう100年以上前の話だしな」

「100‥」


考えてみたら私の一生分よりも長いやん!

そう考えると本当になんで寿命の短い人間の私と結婚したんだろ。

800年くらい生きるベル様からしたら、私の人生あっという間に終わっちゃうぞ?横目でベル様を見ながら、野菜に水をやっていると、ベル様がようやく綺麗な緑色になったカボチャをそわそわしながら見つめた。



「リニ、これはもう収穫してもいいのでは?」

「そうですね。一旦こっちは収穫して、倉庫にしまっておきましょうか」

「ようやくだな‥!」



パッと嬉しそうに微笑むベル様。

ううっ、可愛い!私より100歳以上年上とは思えない可愛さだ。ワクワクするベル様に野菜用のハサミを手渡し、「この辺で切るといいですよ」と、教えると、丁寧な手つきでそっとツルを切って、ずっしりとしたカボチャを宝物に触れるように持ち上げた。


「すごい‥!本当に収穫できた」

「はい、あっという間の収穫でしたね」

「これを、あと2・3週間待つと食べられるんだったな‥」

「はい。その方がホックホクで甘くて美味しいんですよ!」

「そうか‥!」


何故か眉間のシワを寄せながら嬉しそうにするベル様。

すごく、器用である。とはいえ、ずっと顔を見てしまうと照れ臭くなってしまうので、私はできるだけ自然に視線を逸らした。‥いきなりべったりくっつく事はなくとも照れ臭いことには変わりないからね。



「‥リニは、ここの生活には少し慣れたか?」

「へ?は、はい」



突然の質問に驚きつつも、顔を上げて頷くと、ベル様はぎこちなく微笑み、


「‥急にここへ連れてきてしまったから、大丈夫かと思って」

「急でしたけど、皆さんよくしてくれますし、ベル様がすぐ畑を作ってくれましたし、お化けも今日で帰りますからもう大丈夫です!ベル様には寝るまで側にいてもらいましたけど‥」

「い、いや、そんなのいつだってするぞ!」

「今回は緊急事態でしたけど、流石に申し訳ないですよ」


あと純粋に恥ずかしい。

私ヨダレ垂らしてなかったかな?とか、いびきとか大丈夫だったかな?とか思ってたし。だがベル様を見れば、しょんぼりをした顔で「だが何かあった時、すぐに倒せない」と、言った‥。


ベル様、家に王族でも侵入できないようにしたよね?

あと私の首についているチョーカー、この間めちゃくちゃデカイベヒモスを弾き飛ばしましたよ?



「‥ベル様って、すごく心配性なんですね」

「当然だ。人間は脆いからな」

「まぁ、魔族と比べたら脆いですね‥」



本当になんでそんな脆い人間と結婚しようとしたんだろ‥。

と、湖の方がまだ朝なのに薄っすらと光ったのが見えた。


「え?」


湖を見ると、水の上をまだ朝だというのに白い布を被ったお化け達がふわふわと浮いている?!驚いて思わずベル様の後ろへサッと隠れると、ベル様が小さく笑った。


「す、すみません!お化けが見えてしまって‥」

「大丈夫だ。精霊達は今日は湖から黄泉へ帰るから、朝からそこらにいるんだ」

「え!??朝から!?」

「家の中はもううろつかないが、通り抜ける事はあるかも‥」


慌ててベル様の服をギュッと握ると、ぷっとベル様が吹き出した。



「‥嘘だ。もう湖にしか行かない」

「え、嘘?ほ、本当に?」

「本当だ。もう家の中には来ない」

「もう!!なんだってそんな嘘をつくんですか!」

「‥‥‥‥くっ付くリニが、可愛いくて、」



ボソッととんでもないことを言うベル様に私が目をまん丸にすると、耳を赤くしたベル様に、


「ほ、本当だぞ?」


なんて念を押されたせいで、私も一瞬湖の精霊化しそうになった‥。

い、いきなりは勘弁して下さい!!




うっかり昇天しちゃう‥。

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