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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、恋の病!?87


どうやらエルザ様、昔からリリオン様に憧れているらしい。


え、なんで知ってるかって?

現在お茶をしながらリリオン様の目の前で、エルザ様めちゃくちゃ語ってるからね‥。


「と、言うわけで〜、昔から格好良くて憧れているのよ〜!」

「な、なるほど‥」

「僕のお話はもうそろそろいいからね。で、エルザ、なんであの伯爵達は娘達をこっちへ送り届けたの?まさか本当にオルベルを奪い取りに来たわけ?」


リリオン様がげんなりした顔でお茶を飲みつつそう聞くと、エルザ様は眉を下げた。



「もちろんそこも含まれておりますが、オルベルを軍団長から引きずり下ろしたいようです」

「やっぱりか〜〜。隣国での戦闘で大活躍だったしね、うちの子」

「まだ尻尾は掴めておりませんがその隣国も関わっているようです」

「‥‥自分の国をよく売るね」



吐き捨てるようにリリオン様が言ったけれど‥、そんなきな臭い話を私が聞いていいのだろうか。一応仮免許中の妻。あまり内政を知ってしまうと、半年後に問題が‥、なんて思ったら少しだけ胸がズキッと痛む。


う、うん?

なんで万が一の別れを考えただけで胸が痛いんだ?

そっと胸の辺りを抑えると、エルザ様が私を心配そうに見つめ、


「リニちゃん、あたしも他の皆もオルベルを軍団長として続けて欲しいと思ってるから安心してね!」

「エルザ様‥」

「あ、でも今回ベヒモスに加えあのお嬢ちゃん達に手こずってたから、オルベルかなりイライラしてるかも!ちょーっとだけ気をつけてね」

「は、はい」


かなりの大問題を抱えている中での魔物退治だったんだな‥。

そりゃイライラもするか。‥なんて思ったけど、さっき会った時はイライラした様子はなかったような?と、思っているとリリオン様が可笑しそうにまた笑い始めた。



「大丈夫、リニを連れて来たから今日はもう安心だ」

「それもそうですね」

「え、ええ?!わ、私ですか???」



特に何もできしまへんけど?!

驚いていると、ノックの音と共にすっかり綺麗になったベル様が入ってきた。


「すまない、遅れた」

「おっそ〜い!可愛い奥さん待たせ過ぎじゃない?」

「い、いえ、そんなお構いなく!」

「そうだそうだ〜〜!遅いぞ〜〜」


二人とももうその辺で辞めてくれ〜〜!!

オロオロする私を、不意にベル様が目元を緩めるのを見て、心臓が大きく鳴った。う、うう!ここしばらく静かだったのに!ベル様を見ただけで、なんでこんなに心臓が痛くなるんだ〜〜!!


ムズムズする心を誤魔化そうとリリオン様の方へ視界を向けると、リリオン様が私を見てニヤニヤしている‥。



「なんだそんな照れ臭そうにして!」

「え!?い、いや、それは久しぶり‥なので?」

「そうかそうか!」

「ヤダーー!すんごい可愛いこと言ってるしぃー!!」

「‥‥‥おい、そこまでにしておけ」



ベル様が助け舟を出してくれて、ホッとした瞬間、ふわっと体が浮いた。


え、なに?!!

慌ててリリオン様を見ると、にっこり笑って、



「久しぶりの逢瀬だ。楽しめよ!」



そう言うと、目の前の景色が一瞬にして変わって、ひゅっと風が私の頬を撫でたと同時にふんわりと良い香りがして、顔を上げればベル様の体に抱きつくようにして立っているのに気が付いた。



「「え‥‥」」



後ろへ飛びのきたかったけれど、そうだった〜〜〜!!

呪いがあったんだ!べったりとくっついた私とベル様は、お互い無言で顔を見合わせると、慌ててそれぞれ別の方向を見た。


だぁああああ!!リリオン様ってばなんてことをしてくれたんだ!!

心臓が破けてしまいそうなくらい痛くなって、なんとか深呼吸しようとすっと息を吸った時、またひゅうっと風が私の頬に当たる。


「あれ、ここ‥‥」


よくよく周囲を見ると、どうやら要塞の屋上らしい。

周りは人はいないようで、私とベル様だけだ。

要塞の向こうに広がる景色は雪がまだ残っている山脈と、深い森だ‥。風がなんだか冷たいと思ったけれど、雪山が見えるから?


「そういえば、ここってどこなんですか?」

「‥王都に近いエルザの任されている領地だ。今回はベヒモスが数多く出たので俺も呼び出された」

「あんなすごく大きい魔物までいるんですね‥クシュン!!」


冷たい風に思わずくしゃみをすると、ベル様が慌てたように私の体に自分のマントを巻きつけた。


だぁああああ!!!!密着力ぅううう!!

内心慌てふためく私。だがそれよりも私をマントに包む大胆なことをしたベル様本人が、私よりずっとガチガチに固まっていた‥。照れ屋なのに私がくしゃみをしたばっかり、すまんねぇ。



別に風邪はもう治っているのに。

ただベル様を見るだけで胸が痛くなったり、心臓が飛び跳ねちゃうだけ‥、


「ん?」

「どうかしたか?やっぱり熱があるのか?!」

「あ、いえ、それは大丈夫なんですが‥」


そっとベル様を見上げると、私を心配そうに見つめる黒と赤の瞳。

その瞳を見た途端、ふと気付いた。



私のこの胸の痛みって、もしかして恋をしているから‥じゃない?!





ようやく気付いたヒロインです。87話です‥。

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