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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、恋の病!?82


すっかり風邪が治った!

かぼちゃもすくすく生長し、そろそろ収穫ができそうだ。

だが、肝心のベル様が仕事先から帰ってこない。


‥いや、一瞬帰ってはきているらしいが、私が健康優良児で、かつ早寝早起きな人間の為に、寝ている時間にしか帰ってないというね‥。


朝早く起きて、畑の水やりをレーラさんとするも知らずため息が出てしまった。


ううっ!まだ1日が始まったばかりなのにため息とか!

唇を突き出せば、レーラさんが小さく笑って、



「まったくオルベル様は仕方ない人ですよねぇ」

「い、いやぁ‥、私がもう少し遅くまで起きていれば‥」

「ダメですよ。人間はただでさえ夜遅くまで起きていると体調に良くないそうですし、オルベル様や私どもならともかく、健康第一!自分第一!です」

「そ、そうなんですか?」



ついつい無理を通そうとしてしまう私にとっては、そんな自分優先でいいの?なんて思っちゃうけれど、確かに私の体は、私しか大事にできないしなぁ。


と、レーラさんが育ったかぼちゃを見て、


「かぼちゃ、そろそろ収穫できそうですね」

「そうなんですよね。できればベル様と収穫したかったけど、とりあえず収穫して、熟成させたいので倉庫に保管しておこうかな‥」

「熟成?」

「はい。少し置いておいた方が甘くなるんです」

「そうなんですね!私ったらすぐ食べられるものだと思っておりました」

「うふふ、実は手間暇かかる子なんです」


それだけに食べる時、すっごく嬉しいんだけどね。

あーあ、早くベル様に食べて欲しいけど、なかなか時間が掛かるものだ。畑にしゃがんでかぼちゃの頭をぽんぽんと叩く。


ベル様、元気かな‥。

なにせ軍団長だもん、本当ならしょっちゅう帰ってくることも難しい人だったんだろう。不安にならないようにと、気遣ってくれたのかも‥。そう思うと、胸の奥がじくじくと痛くなる。会うとドキドキしちゃうのに、会えなくなるとなんでこんなに切ないんだろ‥。



「あれ〜!?なんで家にいるの?」

「ん?」



何か聞き覚えのある声がする?

畑の向こうを見れば、金髪の長い髪を揺らしながらリリオン様がこちらへやってきた。


「え?リリオン様?」

「オルベルがてっきりラブラブのイチャイチャしてるはずだから、ウキウキして仕事してるかなーって思ってたのに!」

「え、ええ!?」


ど、どういうこと?

王族はこの屋敷に入れないように魔法を掛けていたんじゃなかったっけ?驚いた顔でリリオン様を見上げれば、まじまじと私を見て、


「もしかして、うちの子じゃ不満?」


なんて聞くから驚いて首を横にブンブンと振った。


「そ、そんな事は微塵も考えた事はありません!」

「じゃあなんで一緒にいないの?」

「実は熱を出してここ数日寝ておりまして‥。あ、もう元気にはなったんですけど‥」

「そうなんだ!じゃあもう大丈夫だね!」


リリオン様がにっこりと微笑むと、レーラさんがサッと私の前に立ち塞がる。


「‥何故王族が入れないように魔法を張っておいたのに侵入を?」

「え〜、あれくらい壊せないと研究者を名乗れないでしょ。レーラは相変わらず真面目だな」


な、なんだろう‥。二人の間でバチバチとぶつかり合う光が見えるんだが‥?どうしたものかと思っていると、ふわっと私の体が浮いた。



「え!?」

「リリオン様、リニ様を離し‥」



レーラさんの焦った声が聞こえたが、一瞬にして私はどさっと石畳みの床に尻餅をついた。


「い、いたた‥、え、ここは?」


キョロキョロと周りを見ると、どうやら石で出来た建物‥らしい。

らしいけど、肝心のリリオン様がいない‥。どこへ行ったんだあの義理父は。もしかしてあれか?嫁いびりか?こんな知らない場所へ送って、困らせようってか?


‥と、思ったその途端、ワッと何か叫び声が聞こえ、ついでにものすごいズシンとお腹に響く地響きがした。


「え、何?何??」


すぐ近くに小さな窓があったので、急いで外を見れば、大きな牛のような頭に、体が人間‥だけどけむくじゃらな大きな魔物が咆哮を上げ、足元にいる鎧を着た人達を大きな手で弾き飛ばしていて、私は目を見開いた。



「な、何あれ?!」

「ベヒモスだよ!あれって魔法が効かなくて、剣も通りにくくて、すっごく倒しにくい魔物なんだよね」

「ん?」



後ろを振り返れば、リリオン様がニコニコと笑っている。

今までどちらに?じとっとリリオン様を睨むと、


「あの魔物はどうにも強くてね‥。だけど炎の隊は一番体力も手練れも多いから任されちゃうんだよね」

「そう、だったんですね」

「とはいえ、なんであんなに苦戦してるんだが‥」


と、リリオン様ともう一度窓の外を見ると、そのめちゃくちゃ強いと言われているベヒモスから少し離れた場所で、女の子達が兵士さん達に守られながら「きゃあ、格好いい!」「間近で見ると大きいですわ」と、歓声を上げていて‥。



私とリリオン様は思わず顔を見合わせてしまった。

なんであんな危険な場所にいるの〜〜!?魔族だから?リリオン様を無言でまじまじと見つめると、無言でこれまた顔を横に振った‥。





まだ何も言ってないのに‥(by:リニ)

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