8番目、恋の病!?81
お昼の休憩時間に、心配して帰ってきてくれたベル様。
しかし私はどういう訳か現在病名がわからない心臓の病に罹っているのか、ベル様を見ると心が大変穏やかでいられないというね?!
「体調が大分良くなったようで安心した」
「あ、ありがとうございます!」
落ち着け、落ち着くのだ自分よ。
そわそわする気持ちを落ち着かせようと、ぎゅっと手を握るがどうにもならない。な、なんで〜〜!??そんな私を心配するベル様も、そわそわした様子になっている‥。えらいすんまへん‥。
「き、昨日はちゃんと眠れたか?」
「あ、はい!レーラさんがお化けを倒してくれたので‥?」
「そうか‥」
会話終了。
あ、あかーん!!
次、次へと何か繋げなければ!と、思うのに言葉が上手く出てこない。ええと、何か、何か話題を‥。うんうんと悩んでいると、ベル様が窓の外を見て、
「畑は、もう行ったのか?」
と、パスをくれたので速攻で食いついた!
「はい!畑のかぼちゃが大分大きくなってて‥。と、いってもまだこれくらいなので、まだまだですが」
「そうなのか。もうあれくらいなら食べられると思っていた」
「あはは、両手で抱えきれないくらいの大きさになるのもありますけど、大体ボールくらいの大きさになると食べ頃ですね」
「では帰ってきても、もう少し待たないといけないのか」
「そうですね。と、いってもかなり早く生長してますけど‥」
本当になんでかぼちゃだけ率先して生長しているんだろう。
他の野菜も割と生長が早いけど、あれだけ段違いだ。もしかしてかぼちゃがこの土地に合っているんだろうか‥。と、ベル様がチラッと時計を見て、そっと立ち上がった。
「すまない、もう戻る。夕方には帰るから‥」
「あ、はい!」
ベル様を見上げると、少しだけ嬉しそうに微笑んでいるから、胸がまたものすごく大きく鳴って、慌てて目を逸らした。
わ、わかりやすいくらい目を逸らしてしまった‥。
だって顔がなんか熱い。もしかしたら熱がまた上がってきたのかもしれない。あ、そうだとしたらうつしてしまったらまずいのでは!?ハッとして自分の額に手を当てたけど‥、わからない。なにせ普段健康優良児。平熱と熱の区別ってどうすりゃいいの?
「リニ?どうした?」
「あーー!!こっちに近づいちゃダメです!」
「え‥‥」
「あ、いや、その、もしかしたら熱をうつしちゃうかもですし!っていうか、話すべきじゃなかった?!す、すみません、気が付かなくて‥」
「い、いや、俺は丈夫だから」
「そんな油断しちゃダメですよ?!と、ともかくなるべく近付かないようにしますね!」
「そ、そう、か‥‥」
若干ベル様が肩を落としたようにも見えたけれど、風邪を感染させてはまずい!私は掛け布団で口元を抑えるように引き上げると、ベル様は戸惑ったように私を見つめ、
「じゃ、じゃあ、仕事へ戻る」
「はい、あの、ベル様も体調に気をつけて下さいね」
「‥‥ああ」
と、呟くように言うと、ヨロヨロした足取りで部屋から出ていくと、部屋がシンと静まり返る。
‥多分うつってない、よね?
布団の中に戻ったけれど、せっかくお昼休憩に来てくれたのに、今のやり取りちょっと失礼だった?いや、でも風邪をうつしてしまう方がもっと良くないよね‥。ぐるぐると布団を被って考えていたら、爆睡してしまったらしい‥。
外を見れば夕方。
た、怠惰の極みをしていないか?!私??
青ざめた顔で窓の外を呆然と見ていると、ドアがコンコンとノックされた。ベル様、かな?返事をすればレーラさんがなんだか不満顔で部屋へやって来て、
「聞いて下さいよ!オルベル様ったら仕事が終わらなくて帰れないんですって!」
「え!?そうなんですか?」
「まったく!魔物なんて速攻でカラッと焼いて帰ってくればいいのに〜!そんな訳で、今晩も私がしっかりリニ様をお守りしますからね!」
「あ、ありがとうございます‥」
そっかぁ〜〜‥、忙しいのか。
一緒に畑へ行ってかぼちゃの生育具合を見たかったんだけど、仕方ないか。残念に思う気持ちを顔に出さないように、窓の外を見つめた。
赤い夕暮れを見ると、お化けが出てくる‥と、うんざりするんだけど、今日ばかりは「ベル様が今日も帰ってこない」ことの方が残念で仕方ない。
もそもそとベッドから出てきて、
「畑の水やり、します!」
そう宣言すると、レーラさんはにっこり笑って頷き、「夜は少しお肉多めのご飯にしましょうね!」と、提案してくれた。そうだよね、美味しいご飯を食べて早く元気になって、それで持って明日こそ一緒に畑へ行くぞー!と、気合いを入れた。
が、まさかそこから三日間もベル様が帰ってこないとは、その時の私は思いもよらないのであった。
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