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8番目、いざ戦いへ(?)52


何かあれば殺していいとベル様が言ったけれど、お后候補の選定パーティーなんだぞ!?どんだけ物騒なんだ!急いで化粧室へシュナさんと飛び込み、髪飾りを直してミッションコンプリートだ。


「はい!これで大丈夫です」

「ありがとうございます!とても助かりました」

「いえいえ、私もよく姉に直してもらっていたので‥。髪飾り、結構取れやすいですよね」


なんて話しながら、ベル様の方へまた戻ろうと化粧室を出た途端、ズラッと綺麗なお姉さん達が私達の前に並んで仁王立ちした。



え、何?

集団でおトイレ行こうとしてる?

小さく会釈をして、さっさとベル様の方へ行こうとすると、



「ちょっとお待ちなさい!まさかこの私に挨拶もせず通り抜けるおつもり?」

「え?」



真ん中に立っていた金髪の華やかな美女を見て、ハッとした。

この人、フィプスさんに「気をつけるように」って言われた人じゃない?!けれど名前が思い出せない‥。どうしたものかと考えていると、シュナさんがそちらをじとっと睨み、


「エクリア様、それ以前に化粧室の前で待ち伏せするのは如何なものかと思いますよ?」


そうだ!エクリアだ!えーと、伯爵家のご長女で、選定に選ばれなかった人‥だよね?さも知っていたような顔をすると、エクリア様は私をジロジロと見て、



「オルベル様ったら、こんな弱い人間と結婚なんて‥。一体どうやって取り入ったのかしら?」



ものすごい直球できた〜〜!

これはフィプスさんが言ってた略奪系の方かな?ドキドキしつつも、「本当にこんな事言う人いるんだな〜」と、感心しているとエクリア様は私を睨み、


「貴方のような人にはオルベル様は勿体無いわ。聞けば片田舎の小国の出身だそうね。さっさとお帰りなさいな」

「‥尊敬するヴェリ王の御前で結婚を誓ったにも関わらず一週間で別れるなんて、そんな失礼な事できません」


暗にあんた自分の王様の考えに反対するんか?

と、言ってみるとエクリア様が顔をひくつかせ、周囲にいた女性達が口々に、


「なんて言い方ですの!エクリア様の折角の忠告を無下にするなんて!」

「オルベル様、きっと騙されていらっしゃるのよ」

「さっさと国へ帰った方がいいんじゃないかしら?」


周囲の視線がどんどん集まってきて、内心どうやってこの場を収めようと思っていると、シュナさんが怒りの形相に変わり、思わずひゅっと息を呑んだ。



刀傷沙汰になったらまずい!!



「シュナさ‥、」

「リニ!」



急いでこちらへ駆けつけてくれたベル様を見て、ホッとした私はつい、



「ベル‥、嫌い!!!」



と、ものすごい声で叫んでしまった。


ぎゃあああああああ!!今まで出なかった分、ものすっごい声量でベル様を嫌いって、別れろと迫る子達の前で言ってしまった!!驚いた顔のベル様、シュナさん、そして詰め寄る女性達。



一瞬にして静まった化粧室の前で、沢山の人の視線が一気に集まり、冷や汗が出る。



どうしよう!

どうやってこの場を切り抜ける!?

結婚して仲良しでーすって見せる為に来たのに、いきなり破局寸前の状態です!って誤解されてしまう!!ダラダラと汗をかく私に、ベル様はそっと私の手を取った。



「‥来るのが遅れてすまない。許してくれないか?」



散々騒いでいたエクレア‥じゃなくて、エクリアさんやその取り巻き達が一斉にこちらを見た。嫌いって言ってしまった手前、なんて言えばいい!?こっからどうする?!


ドキドキしながらベル様の黒と赤の不思議な瞳を見て、ハッとした。



「私のアヴィオール、今度はもっと早く来てくれたら許します」

「約束しよう」



ベル様が小さく微笑んだ後ろで、シュナさんがキラキラした瞳で、


「それっ!!あの「星を探して」の話ですよね!リニさん、お話をもう読まれたんですか?」

「え、は、はい」

「あの作品はとても有名なんです!リニさん、まだこちらへ来て日が浅いのにこちらの国の作品に親しまれているなんて素晴らしいです!」

「そ、そうですか?」


実はまだ最初の方しか読んでないけど、星の名前がベル様の名前の由来だというのを思い出して、使ってみたんだけどね‥。すると、コツコツと足音が聞こえ、



「おやおや、オルベルの細君は随分と博識なんだねぇ」



途端、ベル様の空気がピリピリとしたものに変わった。

ど、どうした?!今度は誰が現れたんだ?声のした方を見ると、長い金髪を黒いリボンで結んだ長身の男性がこちらへ笑ってやってきた。ベル様とは反対に、金色の王子様みたい‥と思うほど綺麗な顔立ちの青年に見惚れていると、いきなりまたマントに包まれた。


「え、え!?」

「ここにいろ」

「い、いや、その前にご挨拶を‥」

「そうだよ!僕会えるのすっごく楽しみにしてたのに!」

「‥‥なら、今すぐ呪いを解け」


ん?

なんだって?

思わずマントの中で動きを止め、そろっとベル様を見上げれば、



「呪いの元凶、先代の王弟リリオンだ」

「え〜〜、なんか酷くない?その紹介!」



って、軽い口調で言ったけど、ちょっと待て!呪いの主犯が王弟ってなに〜〜!?





色々出てきましたね!!(必死に忘れないようメモする作者)

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