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8番目、呪われる!47


野菜に水をあげ、私はようやく3日目にして夕飯を普通に食べ、普通に湯船に浸かった。


どうも気を失った時も、酔っ払った時も、魔法で浄化?はしてたらしい。魔法すごい。便利すぎる!!私も使いたい!と、思ったが、そこまでの魔力はないらしい。植物に育てるのに全振りしちゃった???



部屋のふかふかのベッドにダイブし、



「ん〜〜〜!今日はやっと1日を過ごせた感じだ」



腕をぐーーっと伸ばして、部屋をぐるっと見回した。

ユプスさんが割った窓ガラスは綺麗に直され、その窓の隣にはこれでもかと本が入った本棚が新たに用意されていて、ここが私の部屋かぁ‥と、見ているだけで感動してしまう。


スリッパを履いて本棚の方へ行けば、色々な小説がしまってあって、恋愛ものもあれば冒険ものもある。


「‥‥すごいなぁ」


本革で作られたしっかりした背表紙を指で撫でつつ、仕事先からどうやって本を頼んだんだろう‥と、疑問に思うも素直に嬉しい。紺色に銀色の星が描かれた表紙に惹かれて本を取り出して、ベッドにころっと寝転がって早速ページを開いた。



本の内容は星を頼りに大切な人を探す旅に出る、という物語らしい。


「アヴィオール‥って、あ、ベル様の名前の元になった星だ」


なかなかロマンチックじゃない?と、私はワクワクしてページをめくった。


しかしこれを魔族の人が書いたのか。

ギャルのような筋肉ムキムキのエルザ様や、可愛いもの大好きなシュナさん、兄が大好きなユプスさんに、魔物を一瞬で倒すベル様を思い浮かべると、この作家さんも同じ魔族‥‥?と、ちょっと不思議な気分になる。



と、ドアをノックする音が聞こえ、返事をしつつ本に栞を挟むと、ドアからそっとベル様が顔を出した。


「べ‥、アヴィ様どうしました?」


スリッパを履いて、ベル様のいるドアの方へ行けばベル様は目をそれはもうウロウロとさせ、



「‥ひ、一人で寝られるか?」

「え!?」

「そのっ、し、心配で‥」

「あ、なーるほど!確かに気絶しちゃったし、酔っ払って寝てしまったりしましたが、今日は普通に元気ですから大丈夫ですよ」



胸を張ってそう宣言したが、ベル様は私を心配そうに見つめた。

‥えーと、信用ない感じ?まぁ、18歳と聞いて「赤ちゃん!」なんて反応もあったくらいだし、176歳のベル様からすれば心配この上ないんだろうな。


そっと首のチョーカーに触れ、


「アヴィ様の魔力が込められたチョーカーもあるし、」

「‥‥そう、か?」

「あ、じゃあ一緒にそこのソファーで本でも読みますか?」

「本‥」

「はい!頂いた小説を読んでいたんですが、楽しくて!」

「そうか!」


パッと顔を輝かせたベル様。

なるほど、一緒に何かしたい派の人なんだな。

私は早速ベッドの上に置いておいた小説を持ってくると、ベル様はちょっとそわそわした様子でソファーに座って、私を見つめた。



「その小説、は、面白いか?」

「はい!べ‥アヴィ様の名前の星が出てきました!まだ最初の方しか読んでいないのですが、ワクワクします。アヴィ様も読んだんですか?」

「‥俺はまだ。なかなか時間もないしな」

「そっか、そうですよね」



軍団長なんて人をまとめ上げる立場の人は、忙しいがデフォだもんね。

チラッとベル様を見上げ、


「アヴィ様は、他にオススメの本はありますか?」

「そうだな‥」


ベル様が部屋の本棚に目をやると、一冊の本がすっと本棚から出てきて、こちらへ浮いてやってきた。え、これぞ魔法じゃないか!驚きつつ、ベル様が浮いた本を手に取ってページをめくると、暗い建物の絵が一斉に明かりがついて店の中にいた人達がお喋りしたり、買い物したりと、賑わいだした。


「絵が‥!」

「最近魔族の子供達に人気の本だそうだ。リニは、もう大人だが魔族がよくいく店の中が描かれているから面白いと思って‥」

「面白いです!!これも魔法ですか?すごいですね!!」


こんなの見たら大興奮しちゃうなぁ!

ベル様が開くページをワクワクした気持ちで見ていると、薄暗い店のページがあった。薄暗い中で、星のようなものが光り、それをお爺さんが小さな少年にガラスの瓶に入れて売っている。



「これは、なんですか?」

「これは鉱石売りだ。明るい光でダメになってしまう物もあるから、いつも薄暗い店で夕方から売られている」

「へぇえええ‥!」



じっと見ていると、星のように光るものもあれば、下の端っこの方で金平糖のように小さく淡く光る物もある。時間差で光って、かと思うと、パッと花火のように光る鉱石に魅入っていると、なんだか眠くなってきた。


「リニ?」


横にいるベル様の暖かい体温と、チカチカと星のように光る様子を見ていたら、急に瞼が重くなってきて、コテッとベル様の肩に頭を置いた。



カチッと体がまた固まった気配がしたけれど、何故か急に眠くなってしまって、瞼の重さに勝てない。



ベッドに‥と、思ったのにどうやらまた私は眠ってしまったらしい‥。ええと、今度は普通に寝かしつけられてしまったのか?




ちびっこ用に眠れる絵本!柔らかい絵柄が大人気!

今、なかなか眠らないお子様とお母様の為に!

と、いう帯がついた絵本でございます。

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