表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/74

8番目、新妻(仮)だった。29


中庭でお茶をベル様と一緒にするが、よく考えたらこれって結構夫婦っぽいのでは?!そう考えたら途端に照れくさくなるから不思議だ‥。チラリとベル様を見れば、中庭の畑をじっと見ている。


横顔、綺麗だなぁ。


なんでこんな綺麗な人が私と結婚しようと思ったんだろ。

そしてうっかり忘れてたけどなんで年を取ってないんだろ‥と、気になっていたことを思い出した。



「どうした?」

「へ?」

「‥何か、こちらを見ていたから」

「ああ、すみません。ええと、お幾つなのかなぁってふと気になって‥」



私の質問にベル様は目を丸くしたかと思うと、少し目を横に逸らし、


「‥‥‥‥176だが」

「ひゃっっ!???」


176歳!?

か、かなり高齢では?でも確かシュナさんが164歳で、私とほぼ同年代って教えてくれたっけ。ってことは、ベル様は人間にすると20歳超えてるくらいなのかな?と、考え込んでいると、ベル様が私を見て、


「‥人間でいえば、23・4だ」

「そうなんですね。ということは、魔族の方って年を取るのがゆっくりなんですね?」

「そうだな。大体800歳から長いと1000歳まで生きる‥」

「800!??」


私の10倍生きるって事?

だから成長速度がゆっくりなのか。そりゃおじさんになってない訳だ。ということは、エルフ族やドワーフ族と同じくらい長生きするってことか〜。強い上に長く生きられるなんて羨ましいわ。



「‥‥年が、気になるか?」

「え?」

「離れすぎている、とか‥」

「まぁ、ちょっと?」

「ちょっと‥‥」



ガーンと見るからにわかりやすく落ち込むベル様。

いやだって158歳差だし‥、流石にびっくりするよ。と、いうかそれまでにお付き合いとかしてなかったの?私と結婚(仮)するまでに機会はいくらでもあったろうに‥。


そこへきて18歳の私と結婚って、もしや魔族って結婚する相手が若い方が良いのかな?でもそれなら人間でなくて、魔族の若い方でしかも長く生きられる人を相手に選ぶよね‥。



「あの、つかぬ事お尋ねしますが、ベル様ってなんで人間の私と結婚しようと思ったんですか?」



そう聞いた途端に、ベル様は持っていたカップを粉砕させた。


「ちょ、ベル様!?手は大丈夫ですか?!」

「だ、大丈夫だ!」

「いや、でも手を怪我してません?」

「そ、それも大丈夫だ!!」


耳を赤くさせたベル様に、レーラさんが「カップを壊さないで下さい!」と、言いつつテーブルをさっさと掃除して、新たなカップにお茶を注いだけど怪我してないの?魔族って丈夫だな〜〜。感心していると、ベル様は私をチラッと見て、



「魔族と‥、結婚は嫌だったか?」

「いえ、それはないです。ただ不思議だなって思ったんです。実際に年が離れた‥、ええと違う種族同士で結婚される方は他にもいるんですか?」

「そうだな、少ないがいるにはいる」

「そうなんですね」



同じように違う種族で結婚する人もいるんだ!

でも800歳まで生きるなら一緒にいられる期間は70年くらいか〜。

私にとっては長いけれど、ベル様にとってはきっと一瞬だな‥。ということは、一緒に居られる時間は限りなく少ないってことか。夫婦(仮)生活なんて、矢のように終わっちゃうんだろうな〜。そんなことをしみじみと考えていると、ベル様が私をチラッと見て、


「‥‥その、明日は朝は何時に野菜に水をやるんだ?」

「水ですか?そうですね、朝食前にしてしまおうかと考えているんですが‥」

「そうなると7時半頃か?」

「そう、なりますね」

「わかった。一緒にやろう」

「え?でもお仕事は‥」

「大丈夫だ」


そうなの?

まぁそれならそれでいいけど。

お茶を飲みたがったり、畑仕事を一緒にやりたがったりするけど、一緒に何かをするのが好きなのかな‥。でもまぁ、野菜に興味を持って貰えるのは純粋に嬉しい。頬が緩んでしまう私にベル様は何故か眉間にシワが増えていくが、大丈夫だろうか‥。実はどこか痛いとか我慢してないか?


と、バタバタと足音がしたと思ったら、白い三つ編みを揺らしてフィプスさんがこちらへ駆けてきた。



「オルベル様!魔物が東に群れで出てきたそうです」

「‥‥隊はどうしてる」

「それが西の方へ駆除に行っているそうです」

「‥ったく」



はぁっとため息を吐いたベル様はそっとカップをソーサーに戻し、ゆっくり立ち上がった。


「‥少し出てくる」

「は、はい!行ってらっしゃいませ。えっと、気をつけて下さいね」


タコの魔物を一瞬で片付けてしまったから魔物の群れも大丈夫かな?とは思うけど、言葉は大事だからね。ベル様はそんな私の言葉に一瞬驚いた顔をして、それからプイッと横を向いた。



「‥すぐ戻る」



そういうと、ピイッと口笛を吹くとノルチェがどこからか飛んできて、ベル様が軽々とジャンプをするとあっという間に飛んでいってしまった‥。は、はや〜〜〜!



「ベル様、すごいですねぇ」

「‥まぁ、新妻がいますし張り切りますよね」



フィプスさんに言われてハッとした。

‥そうだった私、新妻(仮)だったな!?





うっかり書いてる作者も忘れます!

(オルベルごめんね☆)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ