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8番目、妻(仮)始動!20


大きなタコが一瞬海から出てきて、一瞬で燃えた。


誰か巻き戻してスロー再生してくれないかな?

と、思うけれど、そんなものはないので、横で一部始終を見ていたデリーさんを見て、「今のは一体なんでしょう?」と、素直に聞いてみた。



「あれは、クラーケンです‥。海の魔物は魔法が届きにくいので本当に困っていたのですが、一瞬でしたね」

「あれは普通、じゃないんですよね?」

「はいっ!あんな大きさなかなかいません!しかも海中からあんな風に引き出すことがまず難しいですし、一瞬であれだけの炎で包むなんて、我々にはできません」

「そうなんですね‥」



しみじみとオルベル様すごいな〜〜。

と、思うんだけど、さっき結婚する為に努力した‥と、いう話をもう少し詳しく聞きたい。


3歳の時に結婚の約束をしたけれど、そもそもなんで結婚したいと思ったんだろうとか、それ以前に私達まっっったく出会ってませんよね?それなのに結婚するべく頑張っていたとは?と、謎が深まるばかり。



もう一度海の方を見れば、真っ黒に焼けた大きなタコの魔物をノルチェが両足で掴んで港へ戻ってきた。デリーさんが急いで周囲にいた人達に、「場所を開けろ!」と話せば、港の一部を大慌てであけ、ノルチェがドサリと大きなタコが地面に置いた。


「お、大きい!!」

「これは‥、相当な大きさだ‥」


どれだけ大きいんだこれ?

横に繋がれたかなり大きな船と同じくらいの長さのタコを見て、皆目を丸くした。こりゃ確かに漁をするには大変だ‥。



「これで大丈夫か?」



ノルチェの背中から飛び降りてこちらへ戻ってきたオルベル様。

あんだけ大きい魔物をやっつけたのに、涼しい顔をして戻ってきた‥。うん、普通じゃないから?でも、普通じゃないって思われるくらい頑張ったから、だよねぇ。でもその理由が私というのにもう謎しかなくてだな?


「お疲れ様でした、オルベル様」

「あ、ありがとうございます!!オルベル様!本当になんとお礼を申し上げればよいか‥」

「漁場の環境はなるべく変えないようにしたが、後で確認だけはしておいてくれ」

「はい!!」


デリーさんはそう返事をすると、すぐにそばにいた人達に「急いで処理を!」と指示を出していたけれど、食べられるのかなぁ‥あれ。タコの煮物、たこ焼き、揚げ焼きも美味しいよね。


と、オルベル様が私の隣にきて、



「‥何も起きてないか?」

「一瞬で終わったので。あの大きな魔物を火で一瞬で焼いてしまうなんて、すごいですね!」

「‥ただ焼いただけだ」

「でも水から引き出してましたよね?魔法を使ったんですか?」

「まぁ、そうだな‥」

「いいですねぇ!!あれができたら大物の魚もあっという間に獲れちゃいますね」



大物の魚はやっぱり大きな網がないと難しいし、人手もいる。

私もせいぜい釣れたのは、腕くらいの大きさの魚だ。いいなぁ〜〜魔法!あれがあれば我が家の食卓ももっと潤っていたかもしれない。


すると、



「オルベル殿!こちらへいらしていたのですか!」



静かに通る声が後ろから聞こえ、振り返るとオルベル様より大きく、筋肉ががっしりついた腰まである長い金髪に、頭に角がある女性がこちらへやって来た。


お、大きい!


しかも黒い隊服をきっちりと着ているので迫力もすごい。

町の隊長さんかな?オルベル様を見上げると、



「水の軍団長のキルシュナだ」

「っへ?」

「初めまして、キルシュナと申します。この度はご結婚おめでとうございます。まだ結婚して日も浅いというのに魔物の退治に奥様までいらしてくださり恐縮です」

「こ、こちらこそ初めまして!リニ・プレファンヌと申します!急にお邪魔してしまって‥」

「ふふっ、オルベル殿がリニ様を自慢して歩きたいのでしょう」

「じ、自慢!?」



私が自慢?

最弱で、なんの利点もない人間を?

オルベル様を見上げると、ちょっと顔を背けられたが、耳の先がほんのり赤い。え、照れてるの?なんで?あ、もしかして人間なんかを見られて照れてるとか?ダメだぁああ!魔族全然わからない!


私は素早く気持ちを切り替え、キルシュナ様に微笑み返すと、


「今日は本当にありがとうございます。お礼に港で獲れた魚をお土産に持っていって下さい!」

「え、い、いいんですか?」

「はい!魔魚も美味しいですよ」

「まぎょ‥‥?」


なんか、また聞いたことのない単語が聞こえたぞ?

首を傾げる私に、キルシュナ様が魚市場まで先導してくれたが‥、



「魚が大きい!??」

「魔魚は大きくて美味しいので有名なんです。これはまだ小さいサイズですね」

「これで‥‥?」



自分が軽く腕を広げたサイズの魚がどーーんと台の上に乗っていて、私は目を見開いた。どう考えても、これはかなりのお値段のするお魚だし、一体何日かけて食べるの?と、いう規模の大きさの魚に目を丸くした。



え、これ持っていくの?本気で?



オルベル様とキルシュナ様で「どの魚にします?」「あのでかいのが‥」と、言ってるけど一生かかっても食べきれないって〜〜〜!!!




クラーケンってイカだけかと思ったら、タコも含むそうです。

魔物って色々いるんですね〜〜(寝こけて今になって更新です)

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