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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、夫(仮)と収穫体験。128


ベル様と一緒にまずはベリーを摘むことにした。

これをジャムやジュースにしてもいいしね。ベリーの木の前に立つと、ベル様が気合いの入った顔になる。


「では摘み始めるか」

「はい!」


一緒に摘もうとベリーに手を伸ばすと、ものすごい勢いでベリーを摘み始めるベル様。機械ですか?と、いうくらいの速さでベリーを次々と籠へ入れていく。は、早い!!手元が早くて見えない!目を丸くする私をよそに、サッと次のベリーの木へ移り、テキパキとベリーを摘み始めた。


‥な、なんていうか、きゃっきゃうふふしながら摘もうと思ってたけど、かなりの真剣っぷりだぞ?


私も真剣に摘みつつベル様の方を見ればもうすっかりベリーの木が綺麗に摘み取られている!!で、できる!流石軍団長!こっちだって畑仕事をしていて長いのに‥、と、思ったが170歳超えに18歳がどう立ち向かえよう。最早真剣勝負!どっちが多く取るか?!で、ある。



「リニ、籠がいっぱいになったんだが‥」

「あ、はい!新しい籠がこっちに」

「ありがとう。すぐに一杯になるな」

「それはベル様の収穫スピードが速いからかも‥。あ、そういえばベリー食べてみます?」



籠に入っていたベリーを摘んでベル様に差し出すと、ハッとした顔をして、


「そういえば食べていいと言ってたが‥、いいのか?」

「もちろんです!どうぞどうぞ!」


なんなら私も食べちゃうもんね!

にこーっと笑うと、ベル様はちょっと遠慮気味な顔をしながら私の手からベリーを摘んでそっと口に入れて食べると、パッと顔を輝かせた。


「美味しい」

「そうですか?わ〜〜、良かった!」


嬉しくなって持っていた籠から私もベリーを摘んでばくばく食べるとベル様は驚いたように私を見て、心配そうな顔をしたけれど、まだまだあるから大丈夫ですよ。新しい籠を持ってきて、


「まだまだあるから大丈夫ですよ。一緒にいっぱい取りましょうね!」


そう話すとベル様は力強く頷いて、新しい籠を持つと、


「任せておけ」


と、大変力強い言葉を述べると、またも黙々と摘みだした。

‥できればのんびり話しながらでも、と、思ったけどまぁいいか。私とベル様でかくしてベリーを黙々と摘み、摘まれた籠をフィリが倉庫に運んで選別していると、あっという間にお昼である。



「オルベル様〜!リニ〜〜!お昼にしましょう!」



お母さんの元気な声にはっとして顔を上げると、横にいたはずのベル様はたんまりベリーが入った籠を三つくらい重ねて軽々と持ち上げている‥。めっちゃすごいやん。


「ベル様すごいですね?!」

「そうなのか?その、少しは助けになっているといいんだが」

「めちゃくちゃ大助かりですよ。うちの家族だけだったらあと半日は余裕で掛かりますからね」


ベル様の私の言葉に驚いた顔をしたけれど、そもそも器用な人なのかもしれないな。摘み方もすごく上手だし。ううむ農作業に魔族の人を採用したら意外といいのかもしれないな〜。と、フィリがこっちへ駆けてきて、


「オルベル様ありがとうございます!籠、一つお持ちしますよ」

「ああ、では頼む」

「じゃ倉庫にベリーを置いたらお昼にしましょうか」

「あ、ああ」


沢山積まれた籠を持ったベル様と、フィリと一緒にお母さんがいる倉庫の横の開けた場所へ行こうとすると、ドドド‥と、地響きがした。


「ん?」


後ろを振り返ると、大きなイノシシがこっちへ突進してくるのが見えた。


「え、イノシシ!??」


驚く私に、フィリが慌てて私とベル様を庇うように前に立った。


「あれも最近出現してるってイノシシだ!二人とも逃げて!」

「ちょっと待って?そんなのいたの?!」


とにもかくにもベル様が危ない!

こちらを狙うかのように駆けてくるイノシシを見て、「ベル様、危ないから逃げましょ‥」と、言いかけたその時、ベル様がヒュッと息を飲み、



「止まれ!」



大きな声でそう言うと、イノシシがピタッと止まった!

なんで?!と、思ったけれど、さっきフィリが言ってた魔気だっけ?目を丸くすると、イノシシは突然泡を吹いて倒れてしまった。


「「ええええ!??」」

「‥少し、気を出し過ぎたかもしれん」


私とフィリが驚くのをよそに、ベル様はイノシシをじっと見て、


「丁度よく気絶してるな。食べるか?」

「食べる‥‥。とりあえず父に聞いてみますか」

「そうか。ではこれごと持っていこう」


そう言うと、イノシシの重さを何にも感じない足取りでお母さん達が待っている場所まで歩くベル様に、フィリがぽかんと口を開けて突っ立ていた。


「フィリ、いこうよ」

「お前‥、その、色々と大丈夫、なのか?」

「何が?」


首を傾げると、フィリはちょっと声を潜めて、



「あのな、相手は魔族だぞ?この間は急に帰ったけど、あの後だって大丈夫だったのか?危険な目に遭ったりしてないのか?」

「‥‥‥‥‥‥えっと」

「結婚辞めろ」

「そんなことしないよ!ていうか、プロポーズしたのに‥」

「なんで!??結婚してたんじゃないのか?」

「‥そ、それは後で説明します」



そそくさと逃げるようにベル様の横へ走って行くと、心配そうに私を見つめたベル様。え、ええと、今の話、聞かれてないよね?とりあえず聞いてませんように!!と、祈りを込めてにっこり笑っておいたけど、ちゃんと笑えていただろうか‥。





今日も読んで頂きありがとうございます!!

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