表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/76

8番目の結婚(仮)生活。12


オルベル様は、眉間のシワに苦戦しつつ屋敷の中を案内してくれた。


一階はホールと、少し小規模な食堂と応接間や客間、レーラさんやフィプスさんのメイド部屋があり、二階は私達の部屋や図書室、書斎などなど‥。はーーー、広い。とんでもなく広い!私はあちこち案内される度に、感心してしまうばかりだった。



「‥もし、何か足りないものがあればいつでも言ってくれ」

「いや、もう十分過ぎるくらいです」



最後に庭園を案内されて、歩いていけばあちこちに綺麗に植栽された花々や木々に目を丸くした。‥ちょっとだけ魔族も花を愛でる感覚あるんだなって思っちゃったのは内緒だ。だってうちの国では魔族って、力が強くて怖い‥っていうくらいしか情報が入ってこないから。


でも、せっかくなら魔族の人をもう少し知っておいた方がいいよね。

何かの縁で結婚(仮)をしたんだし‥。


「‥‥どうした?」


ジッと考え事をしていた私、足が止まっていたらしい。

しまった、考え事をするとすぐ動きが止まっちゃうんだよね‥。

私は顔を上げ、



「あのっ、魔族の皆さんの習慣とか、生活全体がわかる本はありますか?」

「習慣、生活‥?」

「私は魔族の皆さんのことをお恥ずかしいことに、すごく強いとか、そういう薄っぺらい知識しか持ってないので‥。今日だって初めて魔物が食べられると知りました。せっかくですし、もっと色々知りたいと思ったんです」



そう言うと、オルベル様は驚いたように私を見たかと思うと、眉間のシワがより一層深まった。何故だ。そこは笑顔の出番じゃないのか?しかしオルベル様は小さく咳払いすると、


「そういうことなら、すぐに本を用意しよう」

「あの、あともう一つお願いをしても良い、でしょ‥「なんだ?」


若干食い気味に私の顔を見て、ちょっとワクワクしている感じがする。眉間のシワは常駐しっぱなしだけど。



「畑を、作りたくてですね‥」

「畑‥‥?」

「あ、ちょっと、ちょっとのスペースを頂けたらと、」

「この庭園を潰せばいいか?」

「こんな素敵な庭園潰しちゃダメですよ!!!え、ええと、ここからここくらいで‥」



慌てて、身振り手振りで伝えるとオルベル様は「‥そんな小さくて良いのか」と、言った。いや、一人でやるには結構広いと思うよ?


オルベル様は小さく頷いて、


「中庭の一角を畑スペースにしておく。井戸もあるし、日当たりも良い」

「え、良いんですか?」

「中庭なら外敵も来ないしな」

「外敵‥‥‥」


一体外敵ってどんな方?

いや、もう敢えて突っ込まないでおこう。色々知って怖くなって動けなくなる可能性が大きい。


「ええと、あと普段何か私ができる仕事はありますか?」

「え、」

「え?」


だって結婚(仮)したとしても、何かすることってあるでしょう?

うちのお母さんは、お父さんと一緒に政務も手伝っていたし、編み物や縫い物もしていた。畑も時間が空けばすぐに手伝ってくれた。


「オルベル様のお仕事で、何かお手伝いできることはありますか?」

「手伝い‥‥!?」


え、そんなに驚くことか?

何かしらあるでしょ。書類仕事とか、畑とか、魔物を捌くとか?あ、編み物は流石になさそうだな。オルベル様は少し考え、


「‥‥視察を一緒に行く、は?」

「あ、はい。構いませんが、邪魔になりませんか?」

「いや、それは大丈夫だ」

「それなら‥ご一緒させて頂きます」

「そうか‥」


オルベル様の眉間のしわが薄くなって、心なしか嬉しそうな顔に変わった。‥お出かけをするのが好きなのかな?ドラゴンに乗って宙返りするって言ってたしなぁ‥。明日ドラゴンに乗って行くことになったら、絶対宙返りだけは辞めておいてもらえるようにしておこう。



そうして、二人一緒にお屋敷の中へ戻り、夕方まで部屋で過ごすことにしたけれど‥、



「なーーーーんもやることない‥」



この時間だといつもならお風呂を沸かすべく薪を用意してるのに、お風呂はレーラさん曰く魔法で沸くらしい。何それ羨ましい。コロコロとベッドの上で転がっているのもなんなので、机に座ってお母さんがくれた種を白い袋から取り出して、どれを育てようかと考える。


やっぱり根菜類は外せない。

それと葉野菜も欲しいけど、土に合うかなぁ‥。

ハーブはあまり繁殖力が強いと、こっちの生態系を崩しちゃうだろうから、すぐに刈り取れる物の方がいいよね‥と、種を選別していると、コンコンと部屋の中から音が聞こえてきた。


「え?」


そういえば、この部屋をまだちゃんと確認してなかったな。

どこから音がしているんだろう?と、耳を澄ましつつ部屋の中を見渡すと、薄いミントグリーンの色のドアからノックの音が聞こえる。



この部屋、なんだろ?

何も考えずガチャッとドアを開けば、そこには驚いた顔のオルベル様。



「え?」



あ、そっか。

夫婦だから隣部屋なのか!!

ハッと気が付いた私、そういえば一応夫婦(仮)だったんだな‥と、なんだか不思議な感覚がした。いや、だってまだ結婚(仮)して半日しか経ってないし‥。





以前、旧岩崎邸に行ったんですけど、ミントグリーンのお部屋とピンクのお部屋が素敵過ぎてですね!!!絶対作品にこの色合いを部屋を出したいと思って、早速使いました!!!夏はエアコンがないので汗だくになりますが、すっごく素敵なので是非行って見て下さい!!お嬢様気分を味わえて最高です!!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ