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8番目の初恋。  作者: のん


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8番目、実家へ!?110


ベル様が呪いを受け、力と魔力を奪い取られてしまった。

すぐにヴェリ様から呪術師が手配されたものの、「こんな強力な呪いでは‥」と、絶望的な顔をされ、フィプスさんもレーラさんもますます顔が青くなった。


そうして呪術師さん達が戻り、その後の黒ずくめの人達の動向を聞けば、まるで煙のように消えてしまい追跡が困難になっていると報告を受け‥、私はもうベル様の隣で手を握るだけしかできなくなってしまった。


そんな私を見たフィプスさんは悔しそうに唇を噛み、「他に呪いに詳しい者がいないかあたってきます!」と言い、レーラさんはそんな私達にお茶を淹れ、優しく微笑んでくれた。どちらも心配してくれる姿に泣きそうになっていると、



「‥‥解呪が不可能な呪いか」



ポツリと、ベル様が呟いた。


「でも、呪術師の人が強い呪いは永続的なものではないと仰っていました!」

「‥そうだな。呪いは強ければ強いほど綻びがある。だが、このままだと仕事は無理だな」

「それは、」


そう言われてしまうと、次の言葉が出てこない。

下手な慰めをしたらかえって傷つけてしまうかもしれない。

そう思って、いつの間にかずっと握りっぱなしのベル様の手を見つめた。こんな‥手を握ることしかできない自分に、何ができるんだろう。ぎゅっと唇を噛んだその時、フィプスさんが顔を上げた。


「来客が来たようですね。少し出てきます」

「‥来るのが早いな」


こんな時にお客さん?

と、そばに控えていたレーラさんが一気に5人に増えると、手から剣を取り出した。え、あの、武器‥って、なんで???驚いていると、フィプスさんがすぐに手紙を持って部屋へ戻ってきた。


「郵便と、魔物が出現したとの報告がありました」

「魔物は?」

「オルベル様の結界が消えたので、そこへ数頭。ただ兵士達で処理したそうです」

「今は魔法が使えないから‥。フィプス、結界を頼めるか?」

「はい」


そうだった‥。

あの嵐でも耐えられたのは、ベル様の魔法のお陰だった。

そう考えたら、私本当に何もできないな。力はないし、魔法も使えない。寿命も短く、お金もない。魔物を追い払う力もない。



私、ここにいても何もできないの‥?

と、ベル様が私の手をポンと優しく叩いた。



「ベル様、」

「リニ、実家へ一度戻った方がいい。ここはこれから危険になる」

「え?」

「俺が守れない今、ここは危険だ」

「そんな‥、私だけ実家に帰れません!」

「俺は大丈夫だ。それよりも何かあった時、リニを守れない」

「守って欲しくて、ここにいる訳じゃありません!それに、その、結婚している訳だし‥」

「それは、」



ここにいたい。

何かしたい。でも何もできない自分が悔しい。鼻の奥がツンとするけれど、ここで泣いたらダメだ。だって、泣きたいくらい困っているのはベル様だ。


「‥リニ、今だけだ」

「でも‥」


ベル様の手をもう一度ぎゅっと握れば、困ったように小さく笑った。

こんな大変な事態なのに、私を心配してくれるベル様をこれ以上困らせてはいけない‥のかな。本当の夫婦なら、きっと一緒にいられたのかもしれないのに、今の私とベル様は仮の状態。自分の気持ちをもっと早く言っておけば良かった。後悔しても遅いのに、胸の中がグルグルと渦巻いていると、



「オルベルーーー!!!呪いを受けたって!?大丈夫なのか?」



バターンと勢いよくドアが開いて、綺麗な金髪が少しバサついているリリオン様が部屋へ飛び込んできた。瞬間、レーラさんが剣を振り上げ、


「今お取込み中ですわ!!!!」

「わぁ!レーラ、武器!武器をしまって!!」

「お、お二人とも落ち着いてぇええええ!!!」

「こら!!リニが怪我をするから二人ともやめないか!!」

「‥‥あ〜〜、もお二人とも何をしているんですか」


フィプスさんがレーラさんを抑え、ベル様がリリオン様をじとっと睨むと、ようやくリリオン様はベル様を見て、ほおっと息を吐き、


「良かった‥。生きてて」

「安心しろ。元気そのものだ」

「でも大丈夫なのか?魔物は、まぁなんとかなるが貴族達が黙ってないぞ?力のない軍団長をここぞとばかりに‥」

「リリオン!」


ベル様がまたもじろっと睨むと、私の手を握った。


「‥‥こんな奴だが、親もいるしな。俺は大丈夫だからリニは安全な場所に避難してくれ」

「避難‥」


そう言われたら、私はもう何も言い返せない。

私が小さく頷くと、ベル様はほっとしたように息を吐き、リリオン様に「リニを実家まで送ってくれないか?」と、頼むとリリオン様はそれはもう目を大きく見開き、



「え、いいの?!!だって15年‥、いやもっと待った「リリオン!!!!」



ベル様がスパーンとリリオン様の頭を引っ叩いた。

だ、だから王族相手に頭を叩いたらまずいと思います〜〜!!!一気に涙が引っ込んで青褪める私に、レーラさんが「あれでいいんですよ」と、すかさず言ったけど、ほ、本当に???





どうあっても深刻になってくれない‥。

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