90.春休み・(大本山での魔物退治翌日①)
「う〜。イタタタタ。」
私は体を起こそうとすると背中、肩、腕・・・私の体がバキバキと音を立てて砕けるのではないかと思うくらいに痛み出した。窓からは太陽の明るい光が差し込んでいる。とにかく眼鏡を・・・。私は何とか起き上がり、目を細めて部屋中を見回した。・・・あった。勉強机の上に眼鏡が置いてある。それを取るために四つん這いになり這って勉強机に向かって歩いた。寝ているところから50、60センチほどの距離がこんなに遠いなんて。痛みを堪えて必死に(2歩分くらい)進むと、勉強机の眼鏡に手が届いた。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
私は眼鏡をかけ、時計を見るともう9時半だった。やばい、朝のお勤めも、掃除も、朝食の支度もサボってしまった。私は作務衣に着替えようと箪笥に這って行くが、痛みで思うように進まない。・・・痛い、痛い、痛い。くそっ。
私は必死に這ってやっと箪笥の前にたどり着いた。・・・しまった。作務衣は箪笥の1番上だ。立たないと。
ドスン!!
私は足に力を入れて立ち上がろうとしたが痛みで尻餅をついてしまった。その時、台所?か居間の引き戸が開く音がして、ガラガラと私の部屋の引き戸が空き、
「どうしたんだい?」
と師匠が飛び込んで来た。
「寝坊をしてしまってすみませんでした。すみませんついでに箪笥の1番上にある作務衣をとっていただけないでしょうか?」
と私がお願いすると、
「何やったんだい。体の痛みが取れるまで暫く寝たなきゃダメだろ!」
と言って、師匠は布団を整え私をそこにゴロっと寝かせた。そして
「まだ痛むだろ。」
と言って腕をさすり始めた。そして
「10時になったらパンが焼けるから、そしたら朝食にしよう。」
と言った。私は
「ありがとうございます。」
とお礼を言うと、師匠は
「あぁ。」
と答え、続けて、
「今日は一日寝とくんだよ。わかったかい?」
と言った。私は
「はい。」
と返事をした。師匠は10時5分前まで私の体をさすり
「朝食を取ってくる。」
と言って部屋を出て行った。




