80.春休み・(馬鹿皇子へのお礼状(下書き))
「あ。馬鹿皇子からいろんな物をいただいたいから、一応お返しとかしないといけないのかな。夕飯の時にでも師匠に聞いてみよ。」
「いただきます。」
私は豚汁を一口すすり、師匠に
「師匠、馬鹿皇じゃなくて、桜華様から沢山いただいたでしょ。お返しとかはしなくていいのかな。桜華様が勝手に送ってきただけなんだけどさ。どうしたらいいかなぁ。」
「そうだね。明日午前中にでも店に行ってみるかい?どうせなら冨久岡らしい物でも送ったらいいんじゃないか?」
「そうだね。そうする。にしても私、誕生日でもないのになんであんなに色々送ってきたんだろ。第二皇子って儲かるのかな?」
「さあな。ただ、返事には今後お気遣いはされないでくださいと書いた方がいいだろうね。」
「うん。今回のお礼と一緒に送付する。」
「そこの本棚に『手紙の書き方 例文一覧』だったと思う、緑の背表紙の本があるからそれを見ながら書けばいいさ。」
と言って師匠は本棚を指差した。
「わかった。」
食事の片付けをして、私は師匠の本棚から『手紙の書き方 例文一覧』を借りて部屋にもどった。
意外と贈り物をもらって困っている人がいるのね。そんな時用の文章の書き方がちゃんと載ってるわ。もらったらお返ししないととか気を使うよね。馬鹿皇子には洋食屋さんでご馳走になったり、マカロンや、高そうなブローチとか、参考書や問題集とか、ジャムとか石鹸とかろうそくとか、かなり頂き物をしたのよね。お返しは私のお小遣いで足りるかな。明日買い物に行ってそれから考えよう。とりあえず手紙書かなきゃ。この前手紙書いたばかりなのに、何書こうかな・・・。書くことないな。あ、花見のこと書こ。それと、師匠から借りた本のこの文章。これを使おう。私は広告紙の裏に手紙の下書きを書きました。
『桜華様へ
お元気ですか?私は元気です。今日はうどん同好会のメンバーと食べ物を持ち寄ってお花見をしました。桜は満開でとても綺麗でした。そうそう、中村くんが持ってきてくれたお醤油味のたこ焼きがとても美味しくて、今度2人で買いに行くことにしました。安くて美味しいのですぐに売り切れてしまうそうです。春休みの間に買いに行けたらいいなと思っています。桜華様もお忙しいとは思いますが、楽しい春休みを送ってください。
追伸、先日から、素晴らしい品物をいただき、大変恐縮しております。ささやかではありますが、お礼の品を送付致します。
そして、これまでたくさんのご厚意をいただいておきながら誠に心苦しい限りなのですが、今後はどうかこのようなお気遣いはされませんよう、お願い申し上げます。
このは』
うん。これで失礼じゃないよね。多分。私は風呂に入って布団に入りました。




