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8.お茶会②

「私はコーヒーで。」

と皇帝陛下はメイドに言うと、父の隣に座った。

「かしこまりました。」

と水をかけられていない方のメイドは返事をした。陛下は

「部屋の浄化、ご苦労だった。申し訳ない。うちのバカ息子が邪魔をしてしまったようで。」

と頭を下げた。父は、

「桜華様は、本日の浄化をご存知なかったんですから仕方ありません。私達こそ桜華様や、皆さんに怖い思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」

と頭を下げた。

「それと、桜華の友人らにも今日の事は口外しないように伝えている。皇帝の命令として。」

すると父は、

「ありがとうございます。」

と頭をさげたので、私も一緒に頭を下げた。馬鹿皇子は、

「何で、魔物退治をするって言ってくれなかったんだよ。」

と皇帝陛下に抗議をすると、陛下は

「お前が私を避け、中田さんの報告も聞いていなかったからだろーが。それにしてもなぜ別邸に行った?お前は普段別邸には行かないだろ?」

と馬鹿皇子に尋ねた。

「いや。なんか2人が別邸に行ってるのを見て・・・何するのかと思って。」

と答えた。すると陛下は

「そうか、わかった。桜華、お前も今日の事は口外するんじゃないぞ。」

と言うと、馬鹿皇子は

「わかったよ。」

と不貞腐れた表情で言った。そのタイミングで飲み物が配膳されたので陛下が、

「さぁ、食べましょう。」

と言った。私と父は手を合わせ、

「いただきます。」

と言うと、隣で馬鹿皇子も

「いただきます。」

と言って手を合わせていた。その時ふと陛下を見ると嬉しそうな顔で馬鹿皇子を見ていた。それにしてもどれも綺麗で美味しそう。父は迷うことなくサンドウィッチを取り食べていた。どれを食べようか迷っている私を見て、馬鹿皇子は、

「甘い物は好きなのか?」

と聞いてきた。私は

「はい。」 

と答えた。すると馬鹿皇子は

「このケーキスタンドに乗ってるものはどれもうまくて、あ、皿貸して。」

と言って手を出すので、私は皿を渡すと、一口大のチョコレートケーキみたいなのと、濃いピンクのモナカ?みたいなのと、生クリームの乗った一口大のホットケーキを入れてくれた。

「ありがとうございます。」

とお礼を言うと

「どういたしまして。」

と馬鹿皇子は笑顔で答えた。私は初めて見るピンクのモナカからいただいた。サクッとしたモナカのような物に甘酸っぱいクリームが挟んであった。

「おいしい。」

私は初めて食べるピンクのモナカみたいなものはとてもおいしくて驚いてしまった。私の感想を聞いて馬鹿皇子は、

「口に合ってよかった。俺もマカロン好きなんだ。」

と言って嬉しそうにしている。

「このお菓子はマカロンって言うんですね。」

と言うと、馬鹿皇子が

「うん。伊太利亜イタリアって国の菓子なんだ。あ、このザッハトルテもうまいんだ。」

と言ってチョコレートの様なお菓子を進めてくれたので食べてみるとあらおいしい。チョコレートケーキみたいなんだけど中のチョコのスポンジに甘酸っぱいジャムが入ってて、コーティングしてるチョコレートが濃厚でとってもおいしい。私は馬鹿皇子に

「これもおいしい。ザッハポルテって言うんですね。」

と言うと、馬鹿皇子は

「ザッハトルテ。長くて難しい名前で覚えにくいよな。」

と言った。・・・は?馬鹿皇子がなんだか優しい。ここは、はぁー、ザッハトルテも知らないのかよ。これだから貧乏人は!とか言って私をからかうところでしょーが!と心の中でツッコミを入れてしまった。

 あぁ、そっか、そーゆーこと。私が医務室で傷の手当てをしてもらっている間に、陛下にこっぴどく怒られたのね。それで、陛下の前だからお利口さんになってるんだ。はぁ、良い子モードの馬鹿皇子に戸惑っちゃったじゃないの!

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