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71.梵字

「この通り書いてみな。カーンは、不動明王を象徴する梵字だ。仏教において不動明王は、悪を断ち切り、困難から人々を守る役割を持ってるんだよ。これをスムーズに綺麗に書けるように練習しな。明日、1番良く書けた物を見せなさい。」

そう言って師匠は部屋を出て行った。

「これでカーン・・・。不動明王ねぇ・・・。」

半紙に書かれた記号のような梵字を眺めながら思わず呟いてしまった。

 それから私はおつとめの時間まで梵字の練習をした。




「南無阿弥陀、南無阿弥陀。」

お経を唱えているとさっきまで書いていた梵字が瞼に浮かび上がってくる。梵字を思い浮かべながらお経を唱えるとなんだか体から力というか、気というか、何かもわっとしたものが溢れてきた。私はそんな不思議な感覚を感じながらお経を唱え続けた。私はおつとめが終わる頃にはなんだかぐったりして、気分が悪くなってしまった。師匠はそんな私に

「結界を貼る才能はあるらしいね。」

と言って、部屋布団を敷いて休むように言った。私は本堂の施錠を師匠に任せて部屋に戻った。

「気持ち悪い。」

なんだな船酔いした時の感覚に似ている。私は布団も敷かずにそのまま横になった。




 気がつくと9時を過ぎていた。師匠が布団をかけてくれたのね。船酔いの症状も治まり、やたらとお腹が空いたので台所に向かった。


「起きたのかい。」

「はい。布団ありがとうございました。」

「あぁ。で、夕飯は食べられそうかい?」

「はい。お腹が空きました。」

すると師匠は私にそのまま座っておくよう指示し、熱々の鍋焼きうどんを持ってきた。

「さっ。お食べ。」

「いただきます。」

私はうどんを啜るとつゆの塩味が染み渡った。

「おいしい。」

「そうかい。しっかりお食べ。」

「はい。」

と返事をし、美味しくうどんをいただいた。


「ごちそうさまでした。」

「もう体はいいのかい?」

「はい。」

「そうかい。ちょっと聞くけど、今日のおつとめの時、いつもと何か違うことをしたかい?又は体にちがいはあったかい?」

「あ。集中して読経していたんですが、カーンの梵字の練習のしすぎで、カーンの梵字がずっと頭の中で、というか目に焼き付いていました。」

「なるほどね。さっきも説明したが、不動明王を象徴する梵字だ。仏教において不動明王は、悪を断ち切り、困難から人々を守る役割を持ってるんだよ。明日、結界の張り方を教える予定にしていたんだが。私が手順を教える前にあんたは結界を貼る作業をしていたんだよ。今日は夕飯を食べたら風呂に入ってすぐに休みなさい。後片付けもやっとくから。」


 私は食事を済ませると、風呂に入ってすぐに休んだ。

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