61.順位発表の日。②
「ちょっと置いていくなよ。」
私を追いかけて来た中村くんに私は
「あぁ、ごめん。あの場からいち早く立ち去りたかったの。」
と答えると、中村くんは
「頑張ったんだしさ。次に繋がるって。とりあえず、今からはうどんに集中しないと、西さんに怒られるよ。」
と言って理科室の扉を開けた。
西さんと鈴木くんはもう作業を始めていた。私達がやって来たことに気がついた西さんは
「どうだった?名前あった?」
と尋ねた。私は
「うん。」
と答えると、西さんは
「ふむふむ。思い通りの結果じゃなかったぽいね。大丈夫。それだけ伸び代があるってこと!私なんて伸び代だらけなんだから。今落ち込んでも点数が上がるわけじゃないんだからとりあえずうどんに集中しよ。」
と言いながらマジックのキャップを閉めた。うどんに集中って。なんだかおかしくなって笑ってしまった。
「どうしたの?急に?」
西さんはポカンとして私に尋ねた。私は
「ううん。うどん同好会に入ってよかったって思ったの。」
と答えた。
「南無阿弥陀南無阿弥陀。」
うどん同好会の活動がある日は、帰りが5時半頃になるので、いつもおつとめは途中参加。おつとめが終わったら師匠に順位伝えなきゃいけないんだよなー。怒られるよなー。今騒いでも仕方ない。今はおつとめに集中しよ。
おつとめが終わって師匠が
「試験の出来は良くなかったみたいだね。」
と言った。・・・ばれたか。仕方ない。
「私的には過去一の成績で、点数を叫びながら町内を練り歩きたいんだけど。」
「で、何点取ったんだい。」
「国語92点、数学81点、理科90点、社会96点、英語94点。」
「ほう。」
「でも学年7位だった。」
「悔しいかい?」
「うん。」
「それでいい。」
と言って本堂を出て行った。私は本堂の施錠をして台所に向かった。智にいちゃんにも謝らないとな。次は3位以内になってやる!
夕飯の後片付けが終わると師匠が、
「夕方、あんた宛に届いてたよ。渡すの忘れてたよ。」
と言って封筒を出した。私はそれを受け取った。
「あ、山本先生からだ。」
「帝都の学校の先生からかい?」
「そう!」
私は封筒を開けると、和紙に包まれた写真と手紙が入っていた。私は早速和紙を開き写真を師匠に見せた。
「みんな楽しそうに写ってるじゃないか。」
「うん。」
「あんたと肩組んでいる子たちがみっちゃんとマチちゃんだろ。」
「うん。」
私は帝都の友人達を恋しく思いながら先生の手紙を読んだ。
芦屋さんへ
お元気ですか?うちの学校では風邪とインフルエンザが流行り、私も数日前まで寝込んでいました。歳を取ると治りが遅くて嫌になります。
新しい学校はもう慣れましたか?もうすぐ3年生!高校受験に向けて頑張ってください。
追伸、クラス写真同封します。こっちに来ることがあれば学校に遊びに来てください。
山本より




