59.試験当日。
「いってきまーす。」
「忘れ物ないかい?」
「はい。大丈夫です。」
私は師匠に見送られて家を出た。あん何勉強したの人生初かもしれない。私は単語帳をめくり、ぶつぶつ言いながら学校に向かった。
「おはよ・・・。」
「おはよう。芦屋さん。」
西さんと鈴木くんに昇降口で声をかけられた。
「おはよう!って西さん、どうしたの?」
「ははは。数学、ダメそう。」
と暗い表情の西さんを私は励ましながら教室に向かった。
「じゃ、芦屋さん、後は頼んだ。」
と言って鈴木くんは自分の教室に入った。私は西さんと教室に入ると、
「今更数学をやってやるより他の教科で平均点を上げよう。」
と提案し、朝の会が始まるまでの間、私達は悪あがきを行った。
キーンコーンカーンコーン
「はい。後ろから集めて!」
この瞬間、椅子を下げる音、紙がバサバサいう音が教室中に響いた。先生は解答用紙をトントンと揃えながら、
「はい!号令!」
と関先生が言うと、日直が
「キリーツー!、礼!着席!
と号令をかけた。その瞬間、クラス中は、
「難しかった。」
とか
「終わった。」
とか、
「まぁまぁかな。」
と「テストの感想が飛び交った。私も中村くんから
「芦屋さん、どうだった?」
と尋ねられた。私は
「やれるだけやったけど。どうかな。」
と答えた。正直な所解答欄は全部埋めることができたのだが、それが正解しているかは別の話なのだ。私は
「中村くんは?」
と尋ねると、
「まぁまぁかなと答えた。」
と答えた。まぁまぁと言うのは、勉強ができる部類の方々が謙遜して答えるセリフだ。私は
「え?中村くんって勉強得意な人なの?」
と尋ねると、代わりに清水くんが
「こいつ勉強できるぜ。」
と答えた。私は
「そーゆー事は早く言ってよー。」
と中村くんに言うと、
「え?聞かれなかったから。」
と答えた。
「はぁー。これだからできる奴は・・。」
とため息混じりに言うと、中村くんは
「ごめん。」
と謝った。私も、
「こちらこそ八つ当たりしてごめん。」
と謝った。
放課後、私達うどん同好会は理科室に集まり、掲示物の作成に励んだ。西さんは、試験の出来が悪かったとのことだが、もう今はその事を忘れているようで、楽しそうに掲示物の作成をしている。私も西さんを見習って切り替えよ。




