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55.図書館の怪談騒ぎの翌日③

「中村くんの家っこっちなの?」

「え?あぁ。うん。」

「嘘でしょ。昨日のこと?」

「うん。」

「昨日、一緒に魔物を呼び出したの、テニス部の奴なんだ・・・。」

「でしょうね。」

「知ってたんだ・・・。」

「知らないけど、さっき鈴木くんが、テニス部だったよねって言った時、関先生が誤魔化してたから。」

「そうだったね。俺、ちょっとあいつらと距離をおきたいと思って。俺、あいつらと一緒になってノリで魔物を呼び出して、芦屋さんと、芦屋さんのひいばあちゃん、それと先生達に迷惑かけただろ。・・・何かあいつらのことも、自分の事も許せなくなって。あいつらといるとなんか辛くなって・・・。ごめん。芦屋さんに許してほしいとかじゃないんだけど、何か言いたくなって。単に俺が楽になりたかっただけなんだけど。」

「別にいいんじゃない。魔物に襲われている自分を置いて逃げる人たちとこれから一緒に優勝目指して頑張れないでしょうし、一緒にいたくもないでしょ。」

「うん。」

「で、他に何か?」

「いや、特にない。」

「そう。」

「あ、それと、罪滅ぼしではないんだけど、朝、早く起きて、高架下と、公衆便所に貼ってあった魔物の呼び出し方が書いてある張り紙をはいで学校の焼却炉に入れておいた。」

「そう。」

「うん。」

その後私達は何も話さず、気まずい時間を過ごした。家の方角が違うなら早く帰ればいいのに・・・。中村くんなんかずっと落ち込んでるし。こっちまで暗い気持ちになってしまう。


 結局中村くんは寺の前の階段前までついてきた。

「ねぇ、中村くん。師匠・・ひいばあちゃんにもお礼言いたいの?」

「うん。急に来て迷惑をかな?」

「ここまでついて来てそれ言う?」

「ごめん。」

「じゃ、行こ。」

私達は階段を登った。



「ごめーん、私、先に帰って宿題やってるから。」

と私は途中でへばっている中村くんに声をかけると、さっさと家に帰り師匠に校長先生から預かった封筒を渡した。(封筒の中身がわからないので、一応中村くんが来る前に師匠に見せておいた方がいいと思ったのだ。)そして、

「お弁当、ごちそうさまでした。おいしかったです。」

とお礼を言った。師匠は

「そうかい。」

とだけ答えた。それから中村くんが師匠にお礼言いたいと言って今、階段を上がっていることを伝えると、師匠は

「そうかい。わかったよ。」

と返事をした。それから、今日学校であったこと(西さんのうどん弁当の事や、うどん同好会の事など)を私は師匠に話しながら弁当箱を洗った。

 

 私は弁当箱を洗い終えると、手を拭いて部屋に戻り着替えをした。すると

「ごめんくださーい。」

と声がした。私が玄関に行くと中村くんが立っていた。師匠も奥からやって来た。

「もうあと10分でおつとめだから私に用があるなら早く言っとくれ。」

「すみません。昨日、気が動転していてきちんとお礼が言えなかったので伺いました。昨日は、助けていただき、ありがとうございました。」

と言って中村くんが頭を深く下げた。師匠は

「あぁ。もうあんな危険な事、二度とするんじゃないよ。」

と言うと、中村くんは

「はい。」

と真剣な顔で返事をした。すると師匠は

「彼を下まで送ってやんな。今日のおつとめはそれが終わってからでいいから。・・・先に本堂へ行ってるよ。」

と言ってスタスタと行ってしまった。


「中村くん。下まで送る。」

「ありがとう。」



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