51.図書館の怪談③
「で、中村くんが図書委員になったから、度胸試しに化け物を呼び出してみようってことになって、図書館の隣で鶏を殺したと。」
と関先生が言った。中村くんは
「はい。」
と小さな声で答えた。
ナントカくんと呼んでいた(私と席が隣で一緒に図書委員になった)彼は中村くん。・・・あぁ、確かそんな名前だったわね。すっかり忘れてた。
あの後師匠は学校の隣に住む檀家さんに電話を借りて校長先生に連絡をした。・・で、それからすぐに先生方がいらっしゃって、今、校長室で私と師匠と中村くんと校長先生と担任の関先生が話をしている。
「悪いが先生、説教は後にしてくれ。私が先生方を呼んだのは、いますぐやってもらいたいことがあるからなんだ。まだあの辺りにまだ澱が溜まってるんだ。あの図書館は最近できたものだろ。気の流れがあの図書館に邪魔されてそこに悪い気がそこに溜まってるんだよ。刺激しなけりゃいい話なんだが、学校の図書館は生徒が集まる場所だ。今後あの図書館を使用しないというわけにはいかないだろ。今回の騒ぎも溜まっていた悪い気が地面に溜まって、鳥の死骸に刺激を受け魔物に姿を変えちまったんだ。だからこの気、澱を綺麗にしなければいけないんだ。」
師匠の話に校長先生が、
「どうやって?」
と師匠に尋ねました。
「校長先生、気の流れが悪くて地面深く澱が溜まってる場所なんて帝国中いろんなところ、あちこちにあるんだ。じゃあなぜ、この鶏の死骸程度のもので、あれだけの魔物が沸いたのか?答えはひとつだ。この図書館を建てるときに神主を呼んで地鎮祭をやらなかった。」
「・・・その通りです。敷地内に増築するのだから必要ないと役所に言われまして。地鎮祭の予算が出なかったんです。」
と校長先生は汗を拭きながら言った。
「思ったとおりだ。だからこれまでも、図書館で度々おかしなことがあったりしてたんだろうよ。これらの事実を役所に伝えて予算を出してもらって、きちんと鎮魂をしてもらいな。まだ、地下の澱は沸々してるから危険だよ。鎮魂は地麓神社の長男は若いがしっかりやってくれる。明日、学校が始まるまでにやってもらわないと登校した生徒が襲われて大変なことになるよ。」
と師匠は校長先生に伝えた。校長先生は
「芦屋さんにそれはお願いはできないんですか?」
と尋ねると、師匠は
「できないことはないがね。今、自分達を倒した人間がやって来て鎮魂するって言ったら、また澱を刺激して魔物に変えちまうよ。そうなったら、まず魔物を倒して、澱を沈めて、それから鎮魂をしなければいけなくなっちまう。時間はかかっちまうし、私も疲れちまうしいい事は1つもない。それに夜が深くなるにつれて魔物の力も強くなるから辺りに被害をもたらす可能性だってある。地面麓神社の長男にでも頼めば1時間くらいでなんの危険もなくすぐに鎮魂が終わる。だから余計な魔物を作らないためにも私がもう関わらない方がいいんだ。」
校長先生は
「なるほど。」
と言って納得していたが、私は師匠に
「地下に溜まる澱を刺激して全て魔物として外に出しそれを消す。そうすれば魔物がいなくなるから問題は解決するんじゃないの?」
と尋ねると、
「この地球には原始の時代以前から多くの生物が産まれて、そして死に土に帰っていった。このはが言う通り澱を刺激して魔物に変えて戦うのも1つの手かもしれないが、澱を刺激することで、安らかに眠る土に帰った御霊を起こしてしまう可能性が出てくる。その起こした御霊を食おうと外から魔物がやってくる。前に話しただろ御霊を起こして食おうとする魔物が墓場に集まって来ると。」
と師匠は答えた。
「そっか。結局魔物を呼ぶことになるのか。」
私が納得していると、校長先生が
「予算は後からどうとでもなる。これからすぐに地麓神社にお願いしよう。」
と言って電話をかけ始めた。




