表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

5.私の仕事

「ありがとうございました。失礼します。」

私は医務室を出る時、とびきりの笑顔でイケメンに挨拶をした。

 私達は二階堂さんに2階の奥の部屋の前に案内された。部屋の前には逞しい騎士が鎧を着て2人立っている。この2人もイケメン。この邸宅はイケメン率が高いなぁと感心していると、・・・ん?!部屋の中で禍々しい気配がどんどん大きくなってる。私は父を見ると、父は黙って頷いた。2人の騎士は私達の緊張感を感じてか、刀の鯉口に手を置いた。

「父さん、この気は・・・。」

「そうだ。魔物の気だ。」

私と父は数珠を懐から出した。その時、部屋の中からガタガタと音が聞こえてきた。父が、

「私が指示を出したら扉を開けて、私達が部屋に入ったらすぐに扉を閉めてください。そしてすぐにこの部屋から離れてください。」

と言うと、イケメン騎士2人が

「わかりました。」

と力強く答えた。私と父は霊力を右手に込めると、そのタイミングで父が

「開けてくれ!」

と指示を出した。騎士が扉を開けたタイミングで、

「何ごとだ!!」

と馬鹿皇子の声がした。私達は部屋に入ったものの騎士達が馬鹿皇子の声に気を取られて扉を閉めるタイミングが遅れ、扉の外に魔物が出てしまったらしい。扉の外から悲鳴と、

「皇子達はこちらに!!」

と叫ぶ声が聞こえた。部屋から魔物が出ないようにイケメン騎士に協力してもらったのに、あの馬鹿皇子が大声をだすから。私は

「はぁ〜。父さん、外行ってくる。この部屋の3体は頼める?」

とため息混じりに伝えると、

「あぁ。大丈夫だ。外の魔物は頼んだぞ。」

と父が答えた。

私は部屋の中の魔物が外に出ないように扉を少し開け、その隙間からするりと廊下に出て素早く扉を閉めた。あっ、私の目の前には赤黒い人型の魔物が2体いる。2人の騎士が向こう側で魔物から馬鹿皇子とその取り巻き①〜④と二階堂さんを守るように魔物と向き合っている。私に気づいた第二皇子が、

「馬鹿!お前、なんでこんな所に居るんだよ!危ないぞ!」

と言って魔物の近くにいる私の方へ走ってきた。私は

「来ないで!危ないのはあんたよ。」

と怒鳴るも、馬鹿皇子は私の言う事を聞かずにこちらに走ってくる。その瞬間、魔物が一体ずつ腕と背の高さを変えながら私と皇子の方にびろーんと伸びた。

「消えろ!」

私は数珠に念力をこめて叫ぶと目の前の魔物はボフッと破裂しすすのようなものとなり消えた。私は、床に残る赤黒い跡の中央に懐刀を差し

「浄化!」

と念力を刀に流した。すると床に残って赤黒い跡として残っている魔物の思念は綺麗に消えた。

「騎士さん、部屋から出た魔物はこれだけですか?」

と尋ねると

「はい!ありがとうございました。」

と返事をした。私は父の助太刀をすべく部屋に戻ろうとすると、後ろから抱きしめられた。

「この部屋は危ない。魔物がいるんだ。だから入るな!」

と馬鹿皇子は言い、私を抱きしめたまま離そうとしない。

「はぁ。」

私の口から思わずため息が出た。こっちは魔物がこの部屋に入り込んだから退治してくれって依頼されてんの。

「私の邪魔をしないで。あんたはあっちに逃げて!この部屋から離れて!」

と怒鳴ると、ガチャっと扉が開いた。

「このは、こんな所で何してんだ?」

「・・・私が聞きたいよ。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ