44.冬休み最終日③
「そうかい。それならあんたは学問でも常にトップを走ってないといけないね。」
「え?」
「いいかい。魔導師というのは稀な存在なんだ。あんたが正敏の様に将来個人でやっていきたいのであればなおさら学問が必要だ。」
「はぁ。」
「考えてもみな。大きな術だけを使える学のない、世間知らずの魔導師がとうなるかを。自分の術を正しく人びとの為に使うことができると思うかい?もし騙されてその術を戦争のため、個人や国の私利私欲のために使われたらどうする?」
「人びとを傷つけたり、命を奪ったりします。」
「そうだ。だからこれからしっかり学問を納めなくてはいけないんだ。帝都に戻ったら帝都高等学舎、帝都大学に入りなさい。それだけで、ちょっと小娘を騙してやろうという輩の半分以上があんたから遠ざかる。わかるかい?賢いにも色々あるが、学歴ほどそれを示すのに丁度いいものはないんだよ。」
「なるほど。」
「それに、正敏はあんな風だけど、個人の魔導師として上手く商売をしてるだろ。それは正敏が景気や市場を理解し、相手が払える額を正しく計算して上手く商売をしてるからなんだ。わかるかい?」
「はい。」
確かに父はああ見えてなかなかのやり手だ。退魔部隊を辞めて独立してからも、私達家族は生活に不自由したこともない。むしろ中の上の暮らしを送らせてもらっている。そういえば、父は帝大ではないが帝大と並ぶ古都大学を卒業している。あ、それならもっと勉強見てくれたらよかったのに・・・って私が家では術の練習ばかりして、勉強自体してなかったから教えようがないか。
当たり前だけど、ババア、ではなく師匠は色々な事を考えてくれてたんだな。心の中でババアと呼んでごめんなさい。これからは師匠と、呼びます。そして、勉強も頑張ります。とりあえず、中間テストで1位をとるぞ!おー!
「そういえば、明日の準備はできたのかい?」
「はい。大丈夫です。」
「明日の朝は8時半に出るからね。」
「師匠も学校に行くんですか?」
「当たり前だよ。保護者だからね。もう片付けはいいから風呂に入って早く寝なさい。」
「はーい。」
私は風呂に入り、歯を磨いてトイレに行き、すぐに布団に入った。
「おやすみなさい。」




