40.修行って?②
「南無阿弥陀南無阿弥陀」
ババアのお経をに合わせて昨日同様背筋を伸ばして丹田に力を込めて息継ぎを意識しながら経を読んだ。・・ババアは朝から元気だな。仏様におつとめ前に炊き立てのご飯を仏様にお供えしていたから5時から起きてるのか・・・。負けてられない。
・・疲れた。やっと終わった。昨日の疲れが残ってたのかな?昨日よりおつとめの時間が辛く感じた。
「ほら、掃除するよ!」
「はい!」
私達は本堂の雑巾がけを始めた。
「早っ、何?」
ババアは何馬力あるんだという勢いで本堂の床を拭いていく。私も負けないように拭いていくが追いつけないし拭きムラもできている。マゴマゴする私をよそにババアは作業を終えると、
「次は境内の掃除だよ。」
と言って雑草を抜いていく。冬なのでそんなに雑草も落ち葉もないのだが、ババアはところどころにある雑草や落ち葉をめざとく見つけ抜いていく。どんだけ目がいいんだよ。
あ、もしかしたら・・・。私は雑草の気配を感じようと神経を集中させたが全くわからない。
「何してんだい?」
「雑草の気配を探そうと・・・。」
「馬鹿だね。雑草に気配なんてないよ。」
「でも師匠がどんどん草を抜くから。」
「あぁ、いつも雑草が生えるのはそことあそことあっちと、あのあたりだからね。覚えておきな。」
「そうだったんだ。」
「さぁ、次は墓地の掃除だよ。」
私はババアの後について行った。
「・・・ん?」
魔物?私があたりを見回すと、
パン!パン!パン!と音がした。
「あんたの反応はよかった。だが反応だけではダメだ。さぁ、掃除を続けよう。」
「続けようって?」
「安らかに眠る御霊を無理やり起こし、その霊を食おうする魔物を倒すのも掃除だよ。墓場にはそんな魔物が集まって来るからね。毎朝こうやって掃除して結界を張るんだよ。あと3匹、あんたの仕事だよ。」
「はい!」
私は集中して、右手に気をため
「消えろ!」
と言って術で3匹の魔物を一気に倒した。
「痛っ!」
ババアは私の頭にチョップをした。
「痛いんですが?」
「だろうよ。ところであんたはどんな魔物にああやって攻撃するのかい?」
「はい。」
「あんな鼻くそのような魔物をこんな火力で?」
「はい。そうですけど。」
「はぁー。」
ババアは大きくため息をつくと着物の袂から線香を3センチ間隔くらいで地面に3本刺した。そして
「この線香の真ん中の火の部分だけを飛ばしてごらん。」
「わかりました。」
私は術を出す為に右手に気をためて線香に飛ばすと3本とも吹き飛んだ。ついでに地面もえぐれている。あら?そんなに気を溜めたつもりはないんだけど。
「はぁー。」
ババアはまたため息をつくと、
「あんたは力の加減が下手くそだ。小さい気から大きな気を自在に操れるようにならなければ魔導師としてやってはいけない。正敏と仕事をしていたと言ってたけど。今のでどんな仕事をしてきたかもわかったよ。正敏はそーとーあんたをあまやかしてきたんだね。」
と言うと、ババアは小枝を4本拾い墓地の四隅に差し術で結界を張った。ババアは時計を確認するともう8時かと呟いて
「続きは朝食後だ。」
と言って家に向かった。




