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310/313

310.甘えん坊?①

「ありがとうございました。」

「いえいえ。よく頑張ったね。じゃあ、次は金曜日ね。」

「はい。」

私達が話し終えたタイミングで、運転士が車を出した。勉強の間、魔物が出なくてよかった。そんなことを考えながら伸びをすると馬鹿皇子は

「西園寺先生のことは男としてどう思う?恋愛感情とか・・・。」

また始まった。馬鹿皇子は私が男性と関わるといつもこうだ。私が西園寺先生のこと好きだと言ったら諦めてくれるのか?いや、ただただ西園寺先生に迷惑がかかるだけだ。

「西園寺先生は私の先生です。それに西園寺先生と私では身分差もありますし。」

「俺とはもっとある。」

「ですね。」

「俺はこのはのことになると自分を作ることができなくなる・・・。皇子としての姿が保てなくなる。」

「そうですね。」

「どうしたらいい?」

「私のことなんて忘れればいいかと。」

「それができたら苦労しない。」

「そうですか。」

馬鹿皇子は私のマントを掴み。

「このはじゃないとダメなんだ。」

とボソリと言った。私はその言葉を無視して、

「戻りましょう。」

と言って馬鹿皇子と部屋に戻った。



 部屋に戻ると、食事の用意がされていた。小さなテーブルに木の椅子が新たに用意されており、そこにはハンバーグ、茹でたブロッコリーとじゃがいもとにんじん。ご飯、味噌汁、ほうれん草のおひたし。

私達は菊さんにテーブルへと促されて先についた。

「あ、このは様、今朝洗濯をした牟田様の手ぬぐいは、洗って返しておりますから。」

「ありがとうございます。」

「なあ、早く食べようぜ。」

馬鹿皇子は私達の会話を断ち切るようにそう言って

「いただきます。」

と言って食事を始めた。はぁ、なんか今、馬鹿皇子は私に対する執着が酷くなってる?

「何かあったんですか?」

「別に。」

「私が席を外した時に西園寺先生と何を話したんですか?」

「別に。」

「そうですか。」

・・・まあ、話したくないこともあるよね。私は残りの宿題も済ませなくてはいけないし、『術師覚書』の続きも読みたいので急いで食事をしていたら、

「・・・このはは俺のこと興味ないんだな。普通何があったかもっと強引に聞くだろ。」

「ごめんなさい。あまり聞かれたくない話かと思ったので、そっとしておこうかと。」

「そっか。俺のこと考えてくれてたんだ。」

「まあ。で、西園寺先生と何があったんですか?」

「それはいえないけど、でもこのはが俺のことを考えてくれたなら。それでいい。」

馬鹿皇子は不安そうに笑った。

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