307.西園寺先生②
「あの、桜華様、どうなさったんですか?」
「どうなさったかじゃないだろ?このはを1週間茄子高原に連れてく?一緒に勉強する?どういうことですか?」
「ですから、先日助けて貰ったお礼です。このはさんへのお礼は大学受験のための勉強を教えることが何より喜んでいただけるかと思いまして。茄子高原なら自然豊かで涼しくて。とても良い環境で学べるかと。現にこのはさんは喜んでくれているようですし、ここの仕事が終了してからですから、桜華様にご迷惑をおかけすることはないかと。」
「だから、このはは俺が妃候補にしていることは知ってるだろ。」
「はい、桜華様がそうおっしゃてる事は存じ上げております。それにまだ書面でのやり取りが終わっていない「候補」というだけですよね。帝学を目指すなら2年の夏休みで復習と、試験対策をしておく必要があるんです。」
「それはそうだが。このははそれでいいのかよ。」
「はい。私はこのような提案を頂けてとてもありがたいです。だからぜひお願いできれば。西園寺先生、あの・・・できれば、上岡さん、西田くん、松本くんも一緒にと言うわけには・・・。みんな帝学を目指しているんですが私と同様経済的な理由で専属の家庭教師をつける事は難しくて。」
「それは構わないよ。じゃあ、僕も帝学の友人を誘おう。・・桜華様、これで問題はありませんよね。」
「・・俺も行く。」
「はぁ?何言ってんですか!私達は勉強しに行くんですよ。遊びに行くわけではないんです!公務だってあるでしょ!」
「その調整は中田に頼んでおく。迷惑はかけない。」
「それは私ではなくて、西園寺先生に・・・。」
「かまいませんよ、桜華様だけでなくそちらの皆さんも一緒に。じゃあ、桜華様、それでよろしいですね。」
「あぁ・・・。ありがとう。」
「いえいえ。」
そう言って西園寺先生はソファーの前ラグの上(床)に座ると、私に
「じゃあ。始めようか。」
と言った。




