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304.朝食の席で

「いただきます。」

今朝、私は皇族の方(陛下と皇太子殿下と馬鹿皇子)と食事をしている(ちなみに父と風花様は磐手いわてに行くために皇居をついさっき出て行った)。というのも、『術師覚書』について陛下であれば何が知っているかも知れない、話を聞くのは朝食の時間しかないと馬鹿皇子に言われ半ば強引に連れてこられたのだ。


「この本は僕の祖父が買ったものだと思うんだけど。・・・僕の祖父は魔力があってね。とは言っても小さな火を出せるくらい。マッチがなくてもタバコを吸えると言って笑っていたよ。で、この本は、祖父が若い頃、仁母町じんぼうちょうで買ったものだと思うんだ。魔術に興味があったみたいで色んなものを集めていたんだよ。その中の一つだと思う。今、祖父のコレクションを倉庫に取りに行ってもらってるから放課後にでも見てごらん。それと、この術師覚書はこのはさんにあげる。」

「え?そんな、いけません。こんな貴重な本。ただでいただくわけにはいきません。」

「ただではないよ。聞くところによると色々役立つ術が載ってるんだろ?それを私達の警護に役立ててくれればいい。」

「でも・・。」

すると馬鹿皇子が、

「満月は今週の金曜日だぞ。早速役立ててくれよ。」

と恥ずかしそうに私に言った。

「え?」

「だからあの術を。」

「それは無理です。術を施している最中に魔物が現れたらどうするんですか?それに術を桜華様で試すわけにはいきません。あの術を皇族の方に施すとすればそれは父が行うべきだと言いましたよね。」

「絶対に嫌だ!ひいばあばも絶対に無理だから。」

私達の会話を聞いていた皇太子殿下に術について尋ねられ、『術師覚書』に書いてある魔力無き者守りし術について説明をしました。

「・・・この術を施してもらうならこのはさんにお願いしたいな。」

「私もそうしたい。」

と皇太子殿下と、皇帝陛下が言うと、

「何言ってんですか?ダメですよ。父様と兄様はこのはの父さんにやってもらって下さい。それと、このは!この術は俺以外の者にかけてはダメだからな!!絶対にだめだぞ!絶対に!」

と馬鹿皇子は言った。

「わかりました。そう何度も言わないでください。」

私はそう言ってオレンジジュースを一気に飲み干した。

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