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27.思い出作り⑥

「このは、このはの気持ちもわかるけど、鷹西くんと一時休戦して、楽しくご飯しよ。」

とマチが言った。みっちゃんも

「鷹西くんなりにこのはに誠意を見せてると思うのよ。こんな素敵な所で食事ができるのは鷹西くんのお陰でしょ。だからさ。」

と言って私を見た。私は

「別に、戦ってないし。ただ、裏切られないか警戒してるだけ。」

と言うと、みっちゃんは、

「鷹西くんはさ、そんな事もうしないよね?」 

と尋ねると、馬鹿皇子は

「絶対にしない。」

と私に言った。するとマチが、

「はい。この話はおしまーい。」

と言って手をパチンと叩いた。

 

 それから私たちは食事が運ばれるまで話をして楽しんだ。みっちゃんと、マチは馬鹿皇子と初対面なのに持ち前のコミュニケーション力で楽しそうに馬鹿皇子と話をしている。馬鹿皇子は意外と聞き上手で、みっちゃんとマチが楽しく話が出来るような返事や相槌をうっている。聞き上手な馬鹿皇子のせいで、みっちゃんと、マチの口は油を塗ったように滑らかになり、私たちの仲良しエピソードだけでなく、私が小学3年生のときに6年生のガキ大将を泣かせた話や、私が小学5年の時にイケメンのお兄さんに見惚れて側溝落ちた話や、私が今年の春に蝶々を追いかけて犬のフンを踏んだ事など、馬鹿皇子に聞かれたくない事まで話し出した。私は

「ちょっと、みっちゃん、マチ!」

と話を遮ると、馬鹿皇子は

「このはがいると毎日賑やかで楽しそうだな。2人が羨ましいよ。」

と笑いながら言った。何よ。馬鹿にしてる?私がぶすっとしていることに気がついたのか、馬鹿皇子は、

「このはを馬鹿にしているわけじゃないから。ただ、楽しそうでいいなと思っただけだから。」

と訂正をした。するとマチは

「そうなの。楽しくてとってもいいのよ。はぁ。このはが冨久岡に行ったら退屈だよ。」

と言ってため息をついた。みっちゃんも

「同感。」

と言って頬杖をついた。その時トントンと、ノックの音がした。

「はい。」

と馬鹿皇子が返事をすると、扉が開き、先程の店員のおばさんと、若い男性のイケメン給仕が、頼んだ料理とお茶を持って来た。私は思わず、

「うわー、おいしそう。」

と声を出てしまった。しまった、馬鹿皇子に笑われる。私は咄嗟に隣を見ると、

「だろ?」

と言ってニコニコしていた。みっちゃんが

「さ、いただきましょ。」

と言うと、私たちは声を揃えて

「いただきます!」

と言った。


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