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227.ダンス②

「帰りたい・・・。」

「そんな顔すんなよ。」

「だって、あの子も、あの子も同じクラスの貴族ですよ。あの男子もそうだ。ここにいる帝学の生徒達は絶対に全員貴族ですよ。」

「だから?」

「だからって・・・。」

「俺はこのはと踊りたいからこのはを誘った。正式な場ではないけど、このはのデビュタントの相手は誰にも譲りたくなかったんだ。」

「え?もしかして放送のタイミングに合わせて私のところに来たの?」

「いいや、俺がこのはの元へ行った時に、放送してもらうよう毛利に頼んでおいた。」

「はぁ?」

「このはの初めてはこれから俺が全部もらうから。」

馬鹿皇子に耳元でそんなことを言われ慌てていると、音楽が始まった。周りの生徒達が華麗に踊り出すと、馬鹿皇子は私の右手を取り背中に手を回した。馬鹿皇子は固まっている私に

「1、2、3、1、2、3・・・」

と声をかけている。周りは優雅に踊っているのに私達はその中で何をやっているのだろう・・・。

「このは、下でも周りでもなく俺だけを見て。」

「はあ?」

私が目線を上げると馬鹿皇子は私にとびきりの笑顔をくれた。その笑顔に私の心臓が恐ろしい速さで動き出した。く、苦しい。私の命の危機にも気づかず、馬鹿皇子は私に甘い声で囁きかけてきた。


「俺はこのはと踊れて楽しいよ。欲を言えば、このはに俺が送ったドレスを着て欲しかった。このはのドレス姿、綺麗だろうな

〜。」

「え?」

「このはは何色が似合うかな?何色が好き?」

「え?ん〜緑かな。」

「このはだけに葉っぱの色か。」

「全然うまいこと言ってませんから。」

「ハハハ。じゃあ緑色のドレスを送るよ。淡い緑のドレス。もちろん傷が目立たないように露出を控えたものをね。」

「いやいや。もう二度と踊る事はないし、必要ありませ・・・。」

「必要あるよ。・・絶対に必要になるよ。」

「もし必要になったとしてもそんな高価なものなんていただけません。」

「俺が着せたいから贈るの。」

「はぁ〜。」

「ため息なんてつくなよ。」

「つきますよ。ただでさえ、午前の授業で疲れてんのに!!!!」

その瞬間、馬鹿皇子は私を持ち上げくるっと回り、そのまま私をお姫様抱っこした。

 その瞬間ホールから拍手と歓声が聞こえた。馬鹿皇子は私を降ろすと手を引いて元居た場所までエスコートしてくれた。西園寺さんが

「チャリコさん、途中からちゃんと踊れてましたよ?」

と言うと、西田くんは

「うん。ちゃんと形になってた。」

と褒めてくれた。上岡さんは

「ちゃんと練習すれば他の人みたいに回ったりとか色んな技ができるようになるんじゃない?」

と言うと、南条寺さんが

「桜華様のリードが良かったからできた事です。あまり調子に乗られない方がよくってよ。」

と言った。馬鹿皇子が、

「君、失礼なこと・・。」

と南条寺さんに注意をしようとしたが、

「桜華様、彼女のおっしゃる事は正しいです。桜華様のおかげでなんとか踊りきることができました。ありがとうございました。」

と深く礼をすると、馬鹿皇子はにっこり笑って

「そんなことないよ。私のわがままに付き合ってくれてありがとう。楽しかった。」

と言って一礼すると、女子生徒達を引き連れて、又挨拶回りに行ってしまった。

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