17.帰り道
私とみっちゃんとマチで一緒に帰っていると、一台の自動車とすれ違った。マチは
「自動車なんて珍しいね。」
と言って自動車を見送っている。私は
「よっぽどの金持ちが乗ってるんでしょ。」
と答えた。
「じゃあ、また明日。」
いつもの待ち合わせ場所で私は2人と別れた。(彼女らの家はこの近く。)私の家はここから20分かかる。しかも帰りは上り坂。私はいつもここから家までダッシュをしなければならない。これは父が作った修行のメニューの一つである。セーラー服にコートを来て、革靴を履き教科書の入った学生鞄を持ってのダッシュは結構きつい。帰ってからは修行。特に辛いのは父と坐禅1時間。とにかく、じっと心を落ち着けると言うのは難しい。じっとしていると眠くなるし、退屈だし。正直なところ私は坐禅を組んでいる時間って無駄だな〜って思ってしまう。でも父はキレやすい私には心を無にして心穏やかに坐禅を組む時間が何より大事だと言うから仕方ない。よし、急いで帰って早くおやつ食べよーっと
。
「ただいま。」
「おかえりなさい。おやつはマカロンですか?」
「うん。汗かいたから先に着替えてくる。」
出迎えてくれた加代子さんにそう言うと、私は自室に戻って道着と袴に着替えた。それからお手洗いに行き手洗いうがいをして、台所に行った。
「はい、このはさん紅茶とマカロン」
「ありがとう。加代子さんはもう食べた?」
「はい、先程いただきました。それでこのはさん、先程お客様がいらっしゃって、又マカロンを箱いっぱいにいただいたんですよ。」
「え?」
その瞬間、馬鹿皇子の顔が頭に浮かんだ。
「お客様って?私と同い年くらいの子?」
と尋ねると、加代子さんは
「年齢は私と同じか少し下のロマンスグレーの男性です。正敏様の仕事の関係の方みたいでしたよ。」
「そうなんだ。昨日の退魔の料金を支払に来られたのかな。」
流石に馬鹿皇子が来るわけないか。ということは、皇帝陛下か第一皇子か、はたまた執事の中田さんか、メイド(名前不明)が、昨日の馬鹿皇子の愚行に関してお詫びの気持ちとして、今日ここに来た方にマカロンを託したのだろう。それにしてもすごい量、私と父さんの分を残して、加代子さんにお裾分けしよ。それでもたくさん余るなー。あ、明日、クラスのみんなで食べよ。




