117.春休み・(私宛の電話の後)
私と師匠と風花様は食事の後片付けをしている。修行は明日からなのに、風花様は自ら進んで後片付けの手伝いを申し出てくれたのだ。
師匠が皿を洗剤で洗い、その皿を私が濯ぎ、風花様が布巾で皿を拭くと言う流れで作業を行う。風花様に皿を渡すと、風花様は
「さっきは本当にごめんなさいね。」
と私に謝った。私は
「花子さんは悪くないです。だから謝らないでください。」
と伝えると、風花様は
「こんなこと言うと桜に怒られちゃうんだけど。このはさん。桜を嫌いにならないでね。あの子、なんて言うかなぁ。ちょっと素直になるのが下手なの。」
と申し訳なさそうに言った。私はそんな風花様に「無理です。」とは言えず、
「はぁ。」
と、曖昧な返事をした。すると師匠が、
「ははは。」
と笑い出した。私は
「え?師匠?どうしたんですか?・・。」
と尋ねると、師匠は笑いながら
「ははは。これからこのはもいろんな経験をして学んでいけばいいさ。」
と言って私に洗った皿を渡した。私はそれを受け取り濯ぐと風花様に渡した。風花様は皿を受け取ると、なんの脈絡もなく
「私達、ここに来てよかったです。」
と言った。私は訳がわからず、とりあえず
「はぁ。」
と返事をした。
夕飯の片付けが終わった師匠と花さんは師匠の部屋に行った。(夜に襲われても対処できるように花さんは師匠の部屋で、馬鹿皇子は父とともにいちゃんと客間で寝ることになっている。)私は自分の部屋に戻る前に歯を磨こうと洗面所に行った。暫く歯を磨いて、口をすすいでいると馬鹿皇子が洗面所にやって来た。私は口元をタオルで拭くと馬鹿皇子無視して部屋に戻ろうとした。その時、
「あの、えつと。さっきは・・・。」
と何か言いかけた。何?まだ私に文句があるの?そっか。さっき師匠に注意されて途中で止められたもんね。・・・これ以上関わると面倒だわ。私は
「おやすみなさい。じゃ。」
と言って早足で部屋に戻った。




