115.春休み・(私宛の電話①)
「美味しいわ。それに私が作った辛子も上手にできてる!」
と言って風花様は喜んでおでんを食べている。一方馬鹿皇子は、さっきのこと(大根を食べさせてあげなかったこと)を怒っているのか、私の事をじと〜っとした目で睨みながら里芋を食べている。私を睨んで、里芋につけた辛子の量を確認していなかったのか、里芋を食べた瞬間辛さで悶え始めた。・・・とりあえず無視しておこう。
私達が美味しくおでんを食べていると電話が鳴った。私が席を立とうとすると師匠が、
「私が出るから食べていなさい。」
と言ってくれた。
それからすぐに扉の向こうから
「このは、中村くんから電話だよ。」
と私を呼ぶ声がした。するとみんなが一斉にこちらを見たが、私はそれを無視し
「はーい。」
と返事をした。
私は師匠から受話器を受け取り、中村くんと明後日(たこ焼きを一緒に食べて図書館で勉強する約束)の待ち合わせ時間を決めて食卓に戻った。
食卓に着くと、馬鹿皇子が睨んでいる。・・・こいつ、さっきの味見のことまだ怒ってんの?いいじゃん、お望み通り師匠にアーンをしてもらったんだから。そんな顔で睨まれたら、食事が不味くなるわ。そんな事を思いながらお出汁染み染み大根を頬張った。すると、父が咳払いをし、私に真剣な表情で、
「・・・で、中村くんって?何の用だったんだ?」
と尋ねた。私は
「え?あぁ、中村くんは同じクラスで、同じうどん同好会よ。明後日たこ焼きを食べに行って、その後一緒に勉強する約束しているの。」
と答えた。すると、馬鹿皇子が
「手紙に書いてあったけど、本当に2人で行くのか?!他のうどん部のメンバーは来ないのか?」
とキレ気味で尋ねてきた。私は
「うどん部じゃなくてうどん同好会ね。」
と訂正すると、馬鹿皇子は更に不機嫌になり、
「そんなことはどうでもいい。で、どうなんだ?」
と尋ねた。私は
「他のメンバーは来ないわよ。」
と答えると、馬鹿皇子は
「俺たちが来てるのに出かけるのか?それにお前・・・修行中だろ?男と2人で出かけるなんてやる気なさすぎだろ!」
と何故か怒り出した。はぁ?私、何も怒られることやってないし。と思っていると、父まで
「男の子と2人きりでお出かけなんて、ちょっと早いんじゃないか?それに僕の知らない男の子にこのはを任せられないよ。」
と訳のわからない事を言い始めた。私は思わず
「はぁー。」
とため息をついた。




