114.春休み・(味見)
「おいしー!短時間でしっかり味が中まで染みてる!師匠、バッチリです!」
と伝え、今度は風花様に
「花子さんも味見どうですか?」
と尋ねた。風花様は
「あ、あはい。いただくわ!」
と答えた。・・・風花様は何を考えていたんだろ。狙われているんだし色々不安にもなるよね。私は、
「花子さん、アーンして下さい。」
と一口大に箸で割った大根を口元に持っていくと、そのタイミングで馬鹿皇子が、
「失礼します。」
と台所に入ってきた。一瞬目が合ったが、私はそれを無視して、
「はい、あーん。」
と言って風化様に大根を食べさせた。風花様は
「あ、はっ、おいひいわ!」
と言って微笑みながら大根を食べている。そして
「お出汁が滲み出て美味しかったです。」
と嬉しそうに言った。馬鹿皇子は
「姉様、何をされているんですか?」
と尋ねると、風花様は
「お手伝いよ。見て、お粉から辛子を作ったの。辛子って粉をお湯で溶いて作るのよ!このはさん硬さはこれくらいでいい?」
「はい。大丈夫です。では手を洗って来てください。目を擦ったりすると大変なことになりますから。」
「わかったわ!」
と言って風花様は手を洗いに行った。すると馬鹿皇子が私の前に来て
「俺も、その大根味見する。」
と言って口を開けている。私はお皿とお箸を渡して
「どうぞ、召し上がってください。」
と伝えた。馬鹿皇子は聞こえなかったのか、私の言ったことは無視して
「俺も、大根食べたい。」
と私の耳元で言った。はぁ、甘えんなよ!と言おうとしたら師匠が
「はいどうぞ。」
と言って小皿の大根を馬鹿皇子の口に入れて
「どうですか?」
と尋ねた。馬鹿皇子は
「・・・はい、とっれもおいひいです。」
と大根を口に入れたまま答えた。そして馬鹿皇子は私を恨めしそうに睨んだ。・・・はぁ?何、睨んでるのよ。と喉元まで出た言葉を私はグッと飲み込んだ。




