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112.春休み・(馬鹿皇子と2人きり②)

「ここは先に代入した方が計算しやすいよ。」

「あ、そうですね。」

「うん、そうそう。」

私は現在、馬鹿皇子に数学を教えてもらっている。馬鹿皇子の癖に教え方は上手くて、勉強がすこぶる捗っている。・・・そりゃ〜、色々文句も言いましたけど、背に腹はかえられぬ!私は大人しく馬鹿皇子先生からしっかり学ばせてもらっている。ふと時計を見ると4時56分。夕方のおつとめの時間。私は、

「ありがとうございました。私これからおつとめがありますからこれで。」

と言って本堂へ向かった。私は蝋燭に火を灯し、線香を立ててから、経を唱え始めた。自分だけの声が本堂にこだましている。師匠の分までしっかりおつとめを果たさなきゃ。

 それから10数分してから師匠がやってきた。本堂に響いていた私の声に、師匠の声とお鈴と木魚の音も加わった。・・・あっ。私のお経ってテンポが速かった?リズムを取る木魚の音が無いと早口になってるのかも。結界を張る時もそうなっているのかも!時間がある時に試してみよう。


 おつとめが終わると師匠が、

「遅くなって悪かったね。おつとめを始めてくれていて助かったよ。今日はいつもより人数が多いから、早速夕飯の支度をしようね。」

と言って台所へ向かった。



 私は夕飯の手伝いをしながら、昼間師匠の結界に感動したこと、師匠のような結界を張りたくて父と練習したこと、それが上手くいかず魔力を使いすぎてゲロを吐いたこと、馬鹿皇子に数学の勉強を教えてもらったこと、夕方のおつとめで自分のお経のリズムが速いことに気がついたことなどを伝えた。すると師匠が

「そうかい。まぁ、焦らずに一歩ずつ進んで行けばいいんだよ。」

と言ってくれた。私は

「うん。」

と答えた。こんな風に私達がいつも通りに夕飯の支度をしていると風花様が台所にやって来た。

「うわ〜。いい香りですね。私も何かお手伝いさせてください。」

と申し出た。

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