11.お茶会⑤
「そっか。ダメか。そうだよな、俺なんかに時間使いたくないよな。」
と馬鹿皇子は私の目の前でどんどん精神的に不安定になっていきます。私は、
「いやいや、そうじゃなくて、私は曽祖母のいる冨久岡に来週、冬休みに入ってすぐ行く事になっているんです。2年間。」
と伝えると、馬鹿皇子は
「え?」
と言って顔を上げた。私は
「詳しい事は言えませんが、その間、こっちに戻ることはないんです。だからごめんなさい。第二皇子の話を聞きに行くことは無理なんです。」
と伝えるた。すると馬鹿皇子が
「それはさっきの魔物退治に関係しているのか?」
と尋ねた。私は
「さあどうでしょう。さっきの事は忘れて下さい。」
と答えた。すると馬鹿皇子は何か考え込んで
「わかった。俺はその2年間は、このはみたいに不安定になる暇や隙を作らない様に必死に学び、体と精神を鍛えて人々の、国民の幸せを守れる皇子になる様に研鑽を積むよ。ありがとう。今日、このはに会えてよかったよ。」
と言った。その表情は、昼間に取り巻き①〜④と執事やメイドをいじめている時とはまるで別人だった。・・・そういえば、お茶会で、私はこの馬鹿皇子に嫌がらせをされるって思ってたけど、一度も嫌がらせをされてない。むしろ親切にしてもらっている。執事やメイドが言う通り、この馬鹿皇子はいい奴なのか?!・・・そういえばあの時も。魔物と戦う時も、私が魔物の近くにいる事に気がついて助けに来ようとしたし、魔物がいた部屋に戻ろうとした時も止めてくれた。・・・っていうか馬鹿皇子は魔物から私を助ける事ができると思ったのかしら。・・・やっぱ馬鹿なのね。そう思いながらも私は
「あの。魔物と戦う時、私を助けようとして走って来てくれましたよね。正直とても迷惑でした。それに私が父の助太刀に行こうとした時も邪魔しましたよね。正直とても困りました。」
と言うと、馬鹿皇子はしゅんとして小さくなった。そして
「邪魔をして悪かった。」
と消えそうな声で謝った。あ、しまった、つい本心を言ってしまった。私は慌てて、
「いや、そうじゃなくて、ちがうくて。その、えっと、私を魔物から助けようとしてくれてありがとうございました。私を守ろうとしてくれてありがとうございました。」
と頭を下げた。・・・ちゃんと伝わったかな?と私は馬鹿皇子の顔を見ると、馬鹿皇子は、とびきりの笑顔で
「うん。」
と言った。あ、でも相手は馬鹿皇子。また、無茶な事をされては困るので、私は
「修練を積んでいない者が魔物に立ち向かうのはとても無謀なことです。だから2度とあんな行動はしないでください。第二皇子に何かがあれば、その場にいた者の首が飛ぶ恐れがありますから。」
と伝えると、馬鹿皇子は、
「わかった。気をつけるよ。」
と真剣に答えた。




