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108.春休み・(皇子、皇女御一行様⑤)

「出来上がりは、明後日の4月5日です。はい。これ引換券ね。」

クリーニング屋のおばあちゃんが言った。私は

「はい。」

と言って引換券を受け取った。



 今日は1日晴れのはずなのに、今にも降り出しそうな空模様になった。雨が降る前に帰らなきゃと私は走って家に向かった。


 ・・・結界?私が家(高尚院)に続く階段に着いた時、緻密に編まれた結界が高尚院の敷地をすっぽりと包んでいるのが見えた。魔物が入る隙なんてどもにもない。・・・流石は師匠。私はしばらくの間この結界に見惚れていた。するとポツ、ポツと雨が降り出し、私は慌てて階段を駆け上がった。洗濯物を干したままだった!私は洗濯物を取り込むために物干しに行くとすでに取りこまれていた。その時にザーっと雨が降り出し慌てて家に入った。

「ただいま。」

玄関に入ると馬鹿皇子が飛んできた。

「濡れてるじゃないか。風邪引くぞ。」

と言ってポケットからハンカチを出し、私の頭と肩を拭いてくれた。

「大丈夫です。ほとんど濡れていませんから。ありがとうございました。」

と伝え、洗面台に向かった。私が手洗いうがいをしている間も馬鹿皇子は洗面所の扉の前で待っている。私は馬鹿皇子に

「私に用があるのですか?」

と尋ねると、馬鹿皇子は私に

「財布、ありがとう。・・・それと俺からの贈り物は迷惑だったか?」

と尋ねた。私は

「理由もないのに高価な物をいただく訳にはいけません。それに桜様はこれから婚約者を探す時期でしょ。それなのに、私が個人的に桜様から贈り物をいただく訳にはいけませんので。でも、頂いた参考書はとてもわかりやすい内容で助かっていますし、帝都のお店の品物も素敵な物ばかりで嬉しかったです。」

と答えると、馬鹿皇子は

「そうか。」

と言ってほっとした表情をした。私は伝えるべきことは伝えたので

「すみませんが、私、帰ったこと師匠に言いに行きたいのでこれで失礼します。」

と伝えると、馬鹿皇子は

「先程、檀家さんが亡くなったからと出かけて行ったよ。」

と言った。・・・なるほど。だから結界を張ったんだ。私は

「それでは私はこれで。」

と言って部屋に戻った。


 部屋に戻ると私はカーンの梵字を書き座布団に結界を張った。

「ダメだ。目が荒い!」

先程見た完璧な結界を思い出しながらもう一度カーンの梵字を書く。あんなに広くて完璧な結界を見せられたら私だってやってやる!!って気合いが入るもんでしょ!


 私は前に師匠に言われた事を頭の中で繰り返す。

「しっかりカーンの梵字を書いて呼吸を整える。四隅に広げていくイメージでゆっくりと伸ばす。」


 私はもう一度座布団に結界を張った。

「あー!違う!ダメだ!」

悔しくてつい声を出してしまった。いかんいかん。心を落ち着けて、呼吸が大事。・・・その時

「大丈夫か?」

襖が突然空いてそこに馬鹿皇子がいた。

「はぁ!?ちょっと何人の部屋を勝手に開けるんですか?」

「いや、あの。突然大きな声が聞こえたから。何かあったのかと思って。」

「すみませんでした。大丈夫です。」

と言って扉を閉めようとしたら、馬鹿皇子は

「いやでも・・・。」

と言って襖が閉まらないように襖を押さえた。私は

「長旅でお疲れでしょうから、私はこれで。」

と襖を閉めようとすると、馬鹿皇子は又、閉まらないように襖を押さえた。私は、イラッとして

「なんなんですか?」

と少し大きな声を出してしまった。すると揉めている私達の声を聞いてか、父と、ともにいちゃんと風花様がやってきた。


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